黒い白鳥!ブラック・スワン 不確実性とリスクの本質の書評・感想

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ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質

本書は、デリバティブ・トレーダーとして経済の世界に実践者として身を置きつつ、「黒い白鳥(ブラック・スワン)」と彼が呼ぶ「想定できない、しかし影響力の大きな不確実性」について独自に研究をしている著者による、社会や経済や科学における不確実性とリスクをいかに捉えるかを扱った作品です。
内容に入る前に、ざっくりと感想を。
僕は本書を読んで、とっ散らかってるけど面白い、と感じました。
本書は、なんだかとても「とっ散らかってる」感じがする。それは、様々なジャンルを跨いだ話が繰り広げられるから、ではない。でもこれは、うまく説明できないんだよなぁ。
扱っている対象をうまく扱えきれていない作品に出会った時にも、そういう「とっ散らかってる感」を抱くことがある。でも、そういう感じでもない。
本書は、章立てこそあるのだけど、なんか凄く自由に書いてる感じがある。著者が自分でそう書いているように、本書は「エッセイ」に近い作品だと思う。見た目やテーマは、ビジネス書とかそういう感じの本な気がするし、扱っている内容は確かにそういう感じがするんだけど、でも読んだ感想としては、エッセイに近い感じだ。その時その時で書きたいと思ったことをとりあえず書いちゃって、それをなんとか繋げてビジネス書っぽい体裁にしてみた、みたいなイメージだ。
「とっ散らかってる感」はそういう、エッセイっぽい感じの作りから生まれてくるのかもなぁ、とか思ったりしました。実際冒頭からしばらくは、自身の生い立ち(レバノン出身らしく、レバノンの内戦を黒い白鳥と絡めて書いている)の話なんかが出てきたりするし、こんな数学者が嫌いでこんなことを言ってやった、あんな理論を使ってるこういう奴らはクソだ(大意)みたいな内容が結構あったりして、だから凄くエッセイっぽい。本書は、経済や科学や心理学など様々な分野の話を横断しつつ、それぞれのついて「不確実性とリスク」の部分だけ取り出して書いている感じで、だから章立てとか構成とかをもっと合理的にすれば、ごく一般的なビジネス書とか社会学っぽい感じの本になったと思うんだけど、わざとそうしているのかどうなのか、本書はそういう作品になっていない。それらをひっくるめて、「とっ散らかってる感」を抱いたんだろうなという感じがします。
本書は、著者の立ち位置や視点が普通の人とは違って、非常に面白い。なるほど、不確実性とリスクをそんな風な視点から見て、そんな風に扱ったり出来るものなのね、という感じだ。もちろん、本書を読んだだけで、不確実性やリスクに対処出来るようになるわけではないだろうけど、それらと対峙する際の自らの立ち位置を意識的に変えることは出来るようになるかもしれないと思います。
というわけで内容に入ろうと思いますが、「とっ散らかってる感」が凄いので、内容全体をコンパクトに紹介するのはたぶん無理です。というわけで、僕がそこそこ理解できた部分とか、個人的に気になった部分なんかを中心に内容に触れていこうと思います。
まず、「黒い白鳥(ブラック・スワン)」とは何か、という話から行きましょう。本書は、とにかくこれがテーマなわけで、まずこれをちゃんと理解しないといけない。
本書では、「黒い白鳥(ブラック・スワン)」は、こんな風に説明されている。

感想

「とっ散らかってる感」は結構あるし、僕らの日常の認識を覆すようなことを言ってくるし、内容的にも結構高度な気がするんで、なかなか取っ付きにくいとは思うんだけど、でも僕ら人間は「不確実性とリスク」を捉えるのはとても下手な生き物だということがとてもよくわかったんで、どういう風にすれば、「不確実性とリスク」に過剰に囚われすぎずに生きられるかということを学ぶには凄くいいんじゃないかなという感じがしました。是非読んでみて下さい。

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