あめの帰るところ(朝丘戻。)の書評・感想

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あめの帰るところ (ダリア文庫)

さて、内容に入る前にあれこれ書くことにしよう。
著者名で分かる方もきっといるんでしょうけど、本書はBL小説です。
人生はつのBL小説です。
BLに詳しい人に、ちょっと初心者でも読めそうなやつを一冊オススメしてよ、と言って選んでもらったのが本書です。
BLってどんなもんなんかなぁ、という興味本位で読んでいますけど、BLというジャンルを貶したりバカにしたりするつもりはないので、これから色々書くと思いますけど、怒らないでくださいまし。
という言い訳をまず先にした上で、内容に入ろうと思います。
高校3年に進級して、大学受験のために予備校に通うようになった千歳。マンツーマンの指導を受けられる予備校で、千歳の担当になったのが、能登先生だった。
能登先生は、物凄く変わった講師だった。基本的に先生の方から教えることはない。分からないことがあったら聞いて欲しい、というスタンス。自習の延長みたいな授業だ。雑談する中で千歳は、先生が生徒の名前も覚えないし、シャープペン一つ用意していないことを知り、その度に「講師としてなってないです!」と諭した。
それが能登にとっては、人生で初めての経験だった。
子どもの頃いじめられていて、人と仲良く接することが出来なかった。勉強だけはできたから、それには自信があるけど、それ以外のことについては恐ろしく自己評価が低い。大人になってからも人とうまく関わることが出来なくて、そんなまま大人になってしまった。
そんな能登の人生で初めて、自分を真剣に叱ってくれる人に出会えたのだ。
それから能登は、千歳のことを「あめちゃん」と呼んで、ありえないぐらい可愛がった。相変わらず他の人には心を開けていない能登だったが、あめちゃんにだけは自分のすべてをさらけ出せたし、自分の感情を素直に伝えることが出来た
千歳は、先生と一緒にいると、凄く心地いい自分に気づいてはいた。でも、男同士というのは、すんなり乗り越えられる壁じゃない。一緒にいて凄く楽しいし癒されるけど、でも恋人ってのはやっぱり考えられない。
能登も、決してあめちゃんを急かせることはしなかった。あめちゃんを愛しているが故に、あめちゃんが最も幸せになれる選択肢を自分で選び取れるように最初から最後まで気遣っていたのだ
思いがけず指定校推薦で大学に合格した千歳は、予備校を辞めることになった…
というような話です
さて、これから何を書けばいいかしらん
全体の印象としては、案外読めたなぁ、という感じでした。これをオススメしてくれた人曰く、本書はいわゆる『純愛モノ』だそうです。BLにものっすっごい多岐に渡るジャンルが存在していることは知っているのだけど、恐らくその中で最もオーソドックスで普通なのがこの『純愛モノ』なんでしょう。恐らくだから結構読めたんだろうな、と思います。ラスト付近とか、なんだかんだいいながら、結構ウルウルしてたりしましたしね。
本書しか読んでない中でBLを分析するというのはさすがに無茶だとは思うんだけど、本書を読んで感じたことを含めつつ、BLってこういう感じなんだろうなぁ、という僕の勝手な理解を書いてみようと思います。
まず、とにかく形容が多い。読み始めは、これに物凄く違和感を覚えました。とにかく、一瞬一瞬の自分の感情や相手の状況、ふと心に浮かんだことなんかを、とにかくこれでもかと形容する。ストーリーを展開させるための描写ってのが本当に少なくて、文章のほとんどが、会話か、あるいは感情や情景の形容という感じで、ラノベすら普段ほとんど読まない僕には、これがかなり斬新で、読み始めはなかなか慣れませんでした

感想

さて、最後に。これも読みながらふと思ったことなんだけど、もしかしたら男はBLを読むべきなんではあるまいか、と。というのも、BLって結局女子の妄想が満載に詰まっているわけだから、BLを読めば、女性がどうして欲しいのかが分かる、っつーことにならんかな、とか。いや、それでも、そのためにBLを読むってのは、なかなかハードル高いと思いますけどね(笑)
BL小説を読んで、6000字弱の感想が書ける俺って結構凄いなぁ、と自画自賛しつつ感想を終わりにします。いや、なかなか面白い経験でした。ちょっと時間をあけて、また読んでみてもいいかも、という気はします。今度はもっと、ムズムズしないやつがいいなぁ。

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