働くためのコミュニケーション力(山田ズーニー)の書評・感想

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半年で職場の星になる! 働くためのコミュニケーション力 (ちくま文庫)

本書は、まさにタイトル通りの本、いやそれだと語弊がありますね、タイトル以上の本でして、働く上で必要な「コミュニケーション力」全般について書かれてる作品です。基本的には、新入社員を想定して書かれている作品ですが、著者も言っているように、新入社員でなくとも、組織の中でうまくいっていないと感じるすべての人に向けられている作品です。
いやホント、この作品はちょっと素晴らしいと思います!僕は、サラリーマンになるってのが中学生の頃から嫌で嫌で仕方なくて(別にサラリーマンのなんたるかを知っていたわけでもないんですけど)、まあ色々あって結局就活とかしなかったんですけど、もしも、もしも万が一この作品を大学時代に読んでいたら、僕、就活していたかもしれません!サラリーマンになろうとしたかもしれません!なんて風に思わせてくれるほど、「仕事」や「サラリーマン」というものへの見方が一変した作品です。
山田ズーニー、凄いなぁ。
本書は、「会社」という謎めいた不自然な捉えどころのない「大海」を、「どんな風に泳いでいけばいいのか」を示唆してくれる作品です。それは、これから「大海」に飛び込む人にもそうだけど、すでに「大海」の中にいて、でも自分の立ち位置を見失っていたり、進むべき方向性が見通せなかったり、浮かび続けていることにさえ億劫になって沈んでしまいたいと思っているにも非常に助けになる作品だと思います。

僕が本書を凄いなと思う点は、

①そのテクニックを著者が、他者に説明できている、という事実
②何故そのテクニックを使うのか?という点に重心が置かれている点

だと思います。
①については、本当に感心させられました。僕は、本書に書かれているようなことは、やっていたり、やろうと思えば出来るだろうと思っているんです。でも、それを人に説明しろと言われたら、結構困りますね。感覚的にやっている部分が結構あるので、どうやっているのかを教えてくれと言われることがあっても、たぶん説明できないだろうと思います。
本書では著者はそれを、言葉にしてきちんと伝えている。そこは、僕には出来ないなぁ、と思うのでした。
②については、凄く重要なポイントだと思っていて、僕はどちらかと言えば「具体的なテクニック」そのものではなく、「何故そのテクニックを使うのか」という部分に感心させられたのだろうなと感じています。
その、何故そのテクニックを使うのかを説明する過程で、会社とはどういう組織なのか、上司とはどういう存在なのか、新人というのか会社というチームの中でどんな風に見られているのか、などの説明が入り、それらを読むことで僕は、「サラリーマン」や「会社」というものへの新しい視点を獲得することが出来たのでした。凄いなぁ、と思います、山田ズーニー。
さて、これから書くことを全部POPにするかは別として、この本につけるPOPのフレーズはこんな感じになる予定。

正論を言ってるのに通じない!→P15
「人の話を聞かないよね?」って言われる…→P24
上司に自分の意見が通らない!→P38・P114
説明や報告が苦手…→P51・P125・P189
自分はそんな人間じゃないのに、誤解されてる…→P64
職場の人間関係とかめんどくさい…→P74・P200
自己紹介って苦手…→P83
文章の書き方がわかりません…→P92
文章を「ちゃんと読んでる」つもりなんだけど…→P101・P105
お詫びってどうしたらいいの?→P134・P218
企画書って書くの苦手…→P149
電話するの苦手だからメールでいいよね→P155

感想

会社に入れば、そうは言っていられない。チームで仕事をする以上、同じ文章を違った文脈で勝手に読むことは許されないだろう。統一した意志の元、同じ方向を向いて注力しなければならない。その時に、「自分の世界から一歩も出ない読み方」しか出来なければ、それは大きなハンディキャップとなるだろう。
そういう意味で僕は、「自分の世界から飛び出て、相手の文脈に飛び込んで本を読む」という訓練をしなくてはいけない、と本書を読んで感じました。本読みからすれば、いやそんなん当たり前じゃないか?と思うことだろうけど、文章表現力・コミュニケーション力育成の現場に直接関わる著者の視点では、それが出来ないのが現状なのだそうだ。だから、本は読んだ方がいいし、どうにかして周りの人にも読ませた方がいいでしょうなぁ。
自分ではきちんとやっているつもりなのに、何故か組織の中でうまくやっていけていないと感じているすべての方に読んで欲しい

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