『笑わない数学者』の名言

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笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE (講談社文庫)

 前作『すべてがFになる』が完全な天才を描いたのなら、今作は、偉大な数学者、天王寺翔蔵博士を不完全な天才として描いているのが、対比として面白いと思います。

笑わない数学者

あらすじ

  • 偉大な数学者、天王寺翔蔵博士の住む「三ツ星館」。そこで開かれたパーティの席上、博士は庭にある大きなオリオン像を消してみせた。一夜あけて、再びオリオン像が現れた時、2つの死体が発見され……。犀川助教授と西之園萌絵の理系師弟コンビが館の謎と殺人事件の真相を探る。超絶の森ミステリィ第3弾。

『笑わない数学者』の名言

  • 「僕は、たぶん、期待を裏切られたかったんだ」(省略)「我々のレベルで話をされただろう?こちらの常識でものを言われた。そんな必要はないんだ。あれは、偽善というものだ。博士のような天才は、人を理解させようとはしないものだ。僕らみたいな凡人にあんなことを話されるようになったなんて、哀れだね・・・・・・。自分でも言われたように、博士は人間の弱い部分・・・・・・、自分の弱い部分に怯えているようだったじゃないか・・・・・・。僕には、弱い老人の姿しか見えなかった。それが、とても悲しい」
  • 「面白い話をしているときには、いついかなるときでも、けっして時間を気にしてはいけませんよ。理解できないというのは、身を引いて、考えるのをやめてしまうからです。面白いことから逃げてはいけません。人間としての鉄則です」
  • 「まずい料理を食べることが愛情かな? どんなに出来が悪くても優をくれる先生が尊敬できる先生かな? もし知らない人が作った料理なら、少しくらいまずくたって我慢するかもしれないね。でも西之園君が、もしもだよ・・・・・・、まずい料理を作ったら、我慢ができないね、僕は。それが、人を尊敬するってことだ」
  • 「負け方が分からなかっただよ、君は」犀川が言う。「勝つことばかり考えていた。どうやって負けたら良いのかも、考えなくちゃ。それが名人というものさ。僕なんかね、あらゆる勝負に負けてばっかりだからね、そういった苦労は皆無だ」犀川は微笑んだ。
  • 一週間ほど、犀川は、あの不可解な事件から遠ざかることができた。頭の片隅に、燻った煙草のように残ってはいたが、こうした、物事を未解決のまま後回しにする技術は、最近になって見につけたものである。若い頃の犀川には絶対にできなかったことだ。それはちょうど、現在のアメリカとジョージ・ワシントンの頃のアメリカの違いと同じである、と犀川は解釈しているが、解釈したところで、気持ちの良いものではない。

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