自分が自分であることの証明「アイデンティティ」はどのように作られるのか

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認知社会学の構想―カテゴリー・自己・社会

はじめに

「自分は如何にして自分であるか」という問いには誰もが悩んだ経験があると思う。
自分が自分であることの証明は非常に困難で、時にそれはアイデンティティの問題として語られる。
本書では色んなテーマを取り上げているが、ここでは、「自己の同一性論」つまり「昔と今の自分は同じである」という点に関して、
「自己物語=自分を語るストーリー」と「カテゴリー=語る枠組み」を通じて読み解いていく。

自己の同一性

「自己の同一性=過去の自分と現在の自分が同じであるということ」

「パーソナリティや性格の同一性によって説明されるわけではなく、過去の自分と現在の自分とを同一のものとして『物語る』中で維持されていく」

カテゴリーが自己物語を構築する

「男や女、大人や子どもなどの自己や他者の認知枠組みとしてのカテゴリーは、物語性を孕んでいる」

「カテゴリーは物語と対立するものではない」

「自己物語は、自分をどのようにカテゴリー化するかによって異なって構築されるのだ」

カテゴリーによる過去の再構築「個人誌」

「過去の再構築の例として『個人誌』がある」

「個人誌とは事実としてあるわけではなく、現在の観点から語られたり記述されたものであり、また個人誌は、1つのものとして人々に自明視されている」

「自伝や伝記を含む個人誌は、ある特定の観点から取捨選択的に記述されたり語られたりしたものである」

個人誌とカテゴリー

「個人誌の構築の観点を与えるものがカテゴリーである」

「例えば、女性が自分を、『会社で上級職につき、権限をもち成功した人』と見るか、あるいは『男の支配する社会で、職業上差別されてきた者』と見るかという、カテゴリー化のちがいにより、解釈も個人誌の構築のあり方も違ってくる」

自己物語の構築は相互行為である

「一般に、自己をカテゴリー化によって何者かを呈示することは、他者に対して、その呈示に見合うよう振る舞うことを求めることでもある」

「カテゴリーのもとでの自己物語の構築は、他者との相互行為の営みの問題として捉えられる」

カテゴリーの見直し

「自己や他者を定義するカテゴリーの付与は動態的で交渉的であるため、今まで自明としてきたカテゴリーを問い直したり、見直さなければならないこともある」

「カテゴリーの相互の付与は、同時に物語を付与しあうということを意味する」

「現在において自己や他者を呈示するとき、過去の言動や行動を無視することはできないからだ」

「そこでは過去と現在の同一性が求められ、それに反すると相互行為の円滑な遂行を妨げることになる」

まとめ

「想起や物語作り等をめぐる営みは、他者を前にして行われ、想起すべき内容や物語を規範的なものとして相互に付与しあうことによって相互行為は形成される。そして、カテゴリー化による物語の構築が、自己物語を同一的なものにするのである」

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