国際会計基準への適応してきた過程で日本経済に何が起きたのか。

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日本経済を壊す会計の呪縛 (新潮新書)

会計基準と景気

会計基準の変更は企業経営に影響を与える
企業経営の変化は賃金に影響を与える
賃金は消費者の購買力に影響を与える
消費者の購買力の変化は景気に影響を与える

国際会計基準への適応

1996年 日本版ビッグバンを指示  金融制度改革
規制がなく(フリー)、不正がなく(フェア)、参入障壁がない(グローバル)
それに伴い
企業情報の開示強化/会計基準をグローバルな会計基準と共通化する
目的で新たな会計基準を導入
具体的には
時価会計/連結会計/税効果会計/減損会計/退職給付会計/ストックオプション会計/棚卸資産の評価に関する会計基準

時価会計の影響

BIS規制もあいまり
株式の売却による持ち合い解消、安定株主→外国人投資家
株主利益、収益性重視

税効果会計の影響

業績が好調な時はさらに業績をよくする方向に働き、
業績が悪化するとそれに追い打ちをかける。(繰延税金資産の取り崩し)

減損会計の影響

事業からの撤退にたいする経営者の心理的ハードルを下げた。
百貨店の閉店ラッシュ。小売業では1店舗を1資産グループにするため独立採算が求められる
V字回復に使われる減損会計
減損会計は財務会計の世界に管理会計の手法を持ち込んだ

会社は誰のものか

会社は株主のもの
⇔労務を出身している社員を含め幅広い利害関係者のもの
前者に重きをおくと株主が求める「株価を上げる」経営=「今の」利益を最大化する経営に迫られる
日本的経営においては株式の持ち合いにより株主の利益を過度に意識しなくてもよかった。

利益を上げるには

売上を増やすか
費用を減らすか
のどちらかしかない。
売上は企業外部の影響を受けるのに対し、費用は企業内部でありコントロールしやすい
赤字になりにくい経営のためには固定費を下げる
固定費の代表=人件費
→非正規雇用の増加
→職を失うかもしれないという危機感から正規雇用の消費にも影響

ではどうすればよいか

行き過ぎた株主重視の経営を是正し、企業経営者に余計なプレッシャーを与える会計基準を見直す
何が何でも時価評価の方針を見直してはどうか

近年導入された会計基準の多くは見積もり情報を用いる。
つまり決算書は過去の事業活動の成果ではなく、会社の将来の事業活動の予測情報を表すものに
変質
これがエスカレートすると会計の利害調整機能に弊害
(ex 必要以上の配当、不必要なリストラ)

実際には会計基準の見直しは不可能なのではないか

ドイツやフランスでは上場企業はIFRSが適用される市場と国内会計基準が適用される市場を選択することができる

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