日本人同士でも分かり合えない時代において、きちんとした対話を身につけることが必須

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不都合な相手と話す技術 ―フィンランド式「対話力」入門

第1章 対話とは、防衛本能・闘争本能を抑えて相手の正当性を認めようと努力し、歩み寄ろうとすること

  • 伝えるための3原則 

  1.相手のことはわからないものとわきまえる。
  2.わからないから話す。「いちいち言わなきゃならないようではダメだ」では「対話」は成立しない。
  3.相手の意見を尊重するのは身の安全のためにもなる

  • おとなしい事は悪くないが言うべきとき(講演後の質問時間、会議など)言わないのは問題である
  • 価値観が違う相手とは妥協という形でしか「対話」は成立しないが、これが基本だ。
  • ~についてあなたはどう思う?という問いかけで、答えには根拠・論理性を求める教育がよい
  • きちんと意見を言える子を育てるには、自由に意見を言わせ、その意見とは違う価値観もあるのだということを教える
  • 相手の主張をよく聴き、おかしいと思ったら質問し、相手の考え方の成り立ちを知り、そこに正当性を認められるか検証する

第2章 「違い」を前提に、しかも戦わないコミュニケーションが対話

  • 相手と価値観が異なるので「非論理的だ」というだけで相手を批判することはできない(論理・非論理のルールが共有されていないのだから)。わかるまで質問を続ける
  • 誰の言葉だろうと鵜呑みにはしない、同時に自分の考えも無批判に放置しない、そういうクリティカルな姿勢が必要。これが対話の基本
  • フィンランドには未来委員会があり、10年20年というスパンで政策を考えている。主義主張、党利党略は留保して対話される。日本の政治も相互批判ばかりでなく歩み寄りしてほしい。
  • チームワークとはみんな同じように目標に向かって頑張るような美しいものだと思い込むと危険。一人ひとりの「違い」を念頭におこう。
  • 意見を言わせる教育で本心を問うてはならない。一定の条件や情報のもとで立場を明確にするまでにとどめるべきだ。思想と良心の自由という発想からすると、相手の内心に立ち入ることは無礼である
  • 相手が対話に応じない・攻撃してきた場合も自分は語るべきことを語り、相手の意見で認められるところは認め、納得できないところは質問する。
  • 一方的に断定する相手との対話「お前はバカだ」と言わ「なぜそう思うのか?」ときく。それでもだめなら「私のこのような点がバカだというのですか?」と。相手が反応したら対話の糸口が見つかるかも。
  • 「何か違うような気がする」は、理を完全に放棄しており、はた迷惑な決め付けだ。
  • 「私も正しいが、あなたも正しい」というのは自分を相手よりも「上位の判定者」に押し上げるので、上から目線の発想だ。対話は「正しい」を判定するものではない。
  • 「みんなが正しいと思うこと」を見出すため、対話が必要

第3章 交渉ごともうまくいくこの手法

  • 自分の信念について「なぜ?」を問う。次に自分の信念を根底から否定するような反論を考える。そしてその反論にどこまで譲ることができるのか考える。
  • 「相手の心理は分からない」という前提に立って、その立場に自分を当てはめて考える発想をエンパシー(自己移入)という。これが多様な価値観の人々のなかで生きていくために不可欠な手法。
  • 偽った自分を演ずる必要はないが、本当の自分をさらけ出す必要もない。
  • 戦略的な仮面に対処するには。仮面には仮面で応じる。
  • 対話が終わる(相互に対立したまま)とき戦いが始まる
  • 「迷惑なもの」は個人の価値観や感覚によって大きく異なる。感情の問題を論理で語らない。
  • 1.言わなければ相手には通じない。2.相手の言うことはとりあえず受け止める。
  • 感想

    対話。これは大学で身につけたつもりでしたが、さらによくわかりました。
    対話ができない大人は多いし、そんなときどうしたらいいのかわかったのでとても嬉しいです。
    多様な価値観に慣れていなくて、「みんな」や「常識」を鵜呑みにしている人にも読んで欲しいし、人間関係で悩んでいる人にも読んで欲しいです。
    私の経験では、年代の上の人ほど多様な価値観に慣れておらず、対話を拒否している人が若い人より多いと感じます。
    著者はフィンランド日本国大使館に勤めていたことがあり、そこで著者が生で体験したことがたくさん書かれているので、フィンランドに興味がある私にとっては嬉しかったです。
    みんながこの本で対話を学んだら、よりよい社会に近づける気がします。

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