人生の終わり方にも、多様化する価値観への対応が急務!

2041views米山智裕@実践読書家米山智裕@実践読書家

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お墓に入りたくない! 散骨という選択

日本人として生きてくると、
「病院で息を引き取る」⇒「通夜・葬式が営まれる」⇒「火葬場で荼毘にふされる」⇒「先祖代々の墓に納骨」
以上の流れが、常識的な人生の終わり方だと思う。

しかし、あらゆる価値観が多様化する現代社会において、
人生の最後に関わるこの”常識”も、崩れつつあることが、本書を通して理解いただけると思う。

本書内で述べられている価値観の変化についてまとめると、
 ・男女平等、社会進出など女性自身の価値観が変化により、女性が入るのは夫の墓という、男系主義への強い抵抗
 ・核家族化の進行などにより、”家主義の象徴”であるお墓に生前ゆかりの人がいない、そんなお墓に入ることへの抵抗感の増加
 ・そもそも死んだら墓に入るという形式ばった考え方自体を否定する考え方の発生
 ・経済的理由により、お墓を維持することが困難である
 ・少子高齢化によって、墓の維持、受け継ぐ担い手がいない

以上のように、年金制度がこのままだと崩壊すると言われているのと同様、日本人の文化、イデオロギーといってもよい”お墓文化”もまた、大きな曲がり角に察していることを、あなたも理解する必要がある。

著者は、お母様の死の体験から生まれた感情に導かれるようにし、海洋散骨を中心としたメモリアル事業を展開する「ブルーオーシャンセレモニー」の村田ますみ氏。

自身が経験から得た素直な心情をもとに、人々の”終わり”に真摯に向き合っている姿が本書から滲み出ており、感銘をつよく受けた。

本書では、
-現在のお墓制度がどのように出来上がったのかの歴史
-現在のお墓制度の実情
-現在のお墓制度の矛盾点や問題点
-著者の中心活動である【海洋散骨】がどういうものか
-その他【手元供養】など、多様化する供養方法
こうしたことが学べる。

お葬式やお墓というのは、とかく分かりにくく、慣例や業者など周り方の進めに、流されやすいもの。
本書を助けに、自らや家族の”終わり方”について考え、話し合う時間を設けることをつよくお薦めする。
決してネガティブなものではなく、自分自身だけではなく、家族の絆をより一層高めることになるだろう。

最後に、特に惹かれたフレーズを紹介させて頂く。
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今となっては母の心の中を覗くことはできないが、彼女が散骨を希望したのは本人の死生観もあるだろうし、何よりお墓という場所が、母にとって「心休まる場所」ではなかったということだろう。

男女平等の意識が定着し、親と同居せず核家族単位で生活している現在の妻たちにとって、先祖といえば自分の両親・祖父母であり、夫の先祖は他人近いと考えるのは、ごく自然なことだろう。

◆(海洋)散骨業者を選ぶポイント
1)どのような船を使っているか
2)緯度・経度をきちんと出してくれるか
3)遺骨をどのように扱っているか
4)料金は適正か
5)担当者の対応は納得のいくものか

家族が患者に、いろんな治療をして少しでも長く生きていてほしいとう場合があるでしょう。でもそれは、患者のためにはならなかったって思ったんです。家族のエゴなのではないかと思ったんです。本人も言ってたんですけど、やっぱり自分自身がどうしたいかというほうが大事だと。

備えあれば憂いなし。散骨も含め、自分の人生のエンディングプランを考える「終活」に取り組んでみることをぜひおすすめする。それはこれからの人生を心豊かに過ごすことにもつながるはずだ。
⇒有効なツール:エンディングノート
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感想

「死んだ後のことは知らん!任せる!」も一つの考え方で否定すべきではない。ただ、本書を読むと「死んだあとはこうして欲しい」ときちんと伝え去るのも、カッコいいと思う。そう、2012年逝去された金子哲雄氏のように・・・

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