銀行の問題、今後銀行が歩むべき方向。

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日本の銀行進化への競争戦略―飛躍への5つの条件

はじめに

安田氏は、銀行の病気を克服し、金融立国へ歩むための条件として「高い志と仕事への熱情」「健康な危機感」「米銀モデルにとらわれないイノベーティンブな考え」「科学的マネジメントスキル」「優れたオペレーションと知的創造が染み付いた組織の仕組み」が大切だと解く。
以下では、中でも銀行の現状の問題、そして今後銀行が歩むべき方向にポイントを絞って、要点をまとめてみた。

オーバーバンキングによる低利ザヤは継続する

「オーバーバンキング=銀行セクターに対応能力以上に過剰な資金が集中すること」

「個人金融資産の56%が現・預貯金で、証券投資は12%に過ぎない」

「銀行預金は540兆円、銀行融資残高は420兆円」

「米銀の利ザヤは平均3.8~4%、日本の銀行は平均1.5~2%」

「資金が余った銀行で金利ダンピング競争がまかり通っている」

「日本の銀行が倍の金利を課したら、世間の袋叩きに遭ってしまう」

「日本の銀行は、薄い利ザヤを経費削減で補い、なんとか最終収益を生み出す仕組みを続けざるを得ない」

国債偏重運用の弊害

「バブル後の株式市場の暴落で銀行に大きな含み損を作った痛い経験がまだ記憶に残っている」

「今や銀行は5%の株式保有シェアしかない」

「株式に替わって銀行の余剰資金運用の主役になったのが国債である」

「この10年で、銀行による国債保有額は29兆円から102兆円にまで膨れ上がった」

「国債クーポン利回りは1990年の6.1%から、2004年には1.2%にまで下がった」

「国債偏重の運用では投資収益は調達コストをカバーできないほど薄い」

個人サービスの充実

「個人の貯蓄率は減り、企業は資金調達者から資金余剰者に成り代わっている」

「資産サービス:銀行は個人に多様な資産商品を販売するチャネルとして圧倒的名強さを秘めている」

「負債サービス:住宅ローンは既に銀行の主業務であるが、更に投資機会は倍増する」

「個人負債市場で大きな利益を上げている消費者金融会社と提携して間接的に融資を伸ばそうとしている」

法人サービスの充実

「大企業の資金調達は証券金融にシフトすることは回避できない」

「証券調達に関しては、証券子会社を生かして株式・社債発行引受でも存在感を増している」

融資・証券投資一体ポートフォリオ運用へ

「国内銀行の預証率は、1993年に25%、2005年に36%」

「証券運用収益が粗利益に占める割合は、1995年に16%、2003年に26%」

「証券運用収益が銀行の利益を大きく左右するまでになった」

「流動性が高い有価証券運用やクレジット・デリバティブ・融資債権の証券化商品などの取組を強化することで、自らの保有ポートフォリオ特性を機動的に有効フロンティアに近づけることが可能になってくる」

「有効フロンティア=目標とする期待リターンとこれを獲得するために必要な最小のリスクの組み合わせ」

メガバンクはどうするべきか

「巨大な顧客基盤を生かして範囲の経済を生かすシナジー効果の発揮に集中する」

「先端スキルの向上により投資銀行業務でも収益を高める方策に集中する」

グローバル・ユニバーサルバンクを目指すという道

「ドイツ銀行:グローバル投資業務に強み」

「UBS:グローバル資産運用に強み」

「HSBC:グローバル・トランザクションサービスに強み」

「日本の銀行は、資産運用を最大に武器にするのが良い」

「日本が誇る豊富な個人金融資産をグローバルに運用する主導権を持つことがユニークな競争力になる」

アジアン・リージョンバンクを目指すという道

「従来の日本の銀行のアジア進出は日本企業のアジア進出の後追いをしたコーポレートバンキングとプロジェクトファイナンスであった」

「これからは、アジア各国の個人や地元企業顧客を対象としたリテールバンキングの展開に焦点を置く」

「日本の銀行に欠如しているのは、アジアの現地のリテールバンクを経営する人材とノウハウ」

「現地銀行のリテール金融業務はまだまだ。日本の銀行も上手に現地化できれば競争に勝つことが期待できる」

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