ソーシャルメディアのこれからの形を考える本「ソーシャルメディア進化論」

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ソーシャルメディア進化論

はじめに

単純なソーシャルメディア礼讃ではなく、インターネット誕生からの歴史や大手企業の取り組み、ベンチャー経営の哀愁なども盛り込まれた内容。

「ウェブ進化論」をリスペクトして書いたとあるように、担当者レベルのノウハウ拡充と言うより、ソーシャルメディアでのベンチャー経営を志す方が読むと、よりソーシャルメディアを取り巻く潮流が感じ取れるかもしれませんね。

企業側の立場から読むと、事業計画や企画だけでなく、ビジネスモデルやマネタイズを意識して、PDCAを一緒にまわそうという姿勢に、とても好感が持てました。

要点

本書を手に取る方にとっては、第1章から第3章までの、インターネットの誕生から日本国内のソーシャルメディアのマッピングは、「そんなの知ってるよ」と思う部分かもしれません。

第4・5章の花王やカゴメ、ドクターシーラボなどを題材とした事例は、山ほどあるソーシャルメディア系のベンチャーに対して、「その取り組みは、本当に企業が抱える問題解決になっていますか?」という問題提起にもとれますね。

第6章・終章は、ここまでを踏まえた「現状あるべき、ソーシャルメディアの形を、ベネッセの事例やこれからソーシャルメディアを志す方への提言を元に締めくくっている。

参考文献の多さと固さが、本書が今売れることだけでなく、10年後読まれても価値があることを意図して書かれた、よい裏付けだと思います。

メモ書き

・「ソーシャルメディアには実名で参加すべき」という主張は、ソーシャルメディアの経験不足からくる「実名じゃないと信用できない」という素朴なもの
・一部の有名人による上記の主張は、誹謗中傷や無責任な意見を受けた際、「意見を述べるのであれば、実名でないと議論にならない」というもの
・最近増えてきたのは、上記いずれでもなく「実名は社会とつながる」という主張だが、これはリスクが伴う。
・Twitterの企業軟式アカウントを持った担当者の疲弊は並たいていのものではない
・mixi、Facebook、Twitterは、個人による個人のメディアであり、企業が有効活用するには、メルマガのようなプッシュ型の情報配信が適している
・契約時の誠実協議事項は、世界的に取り入れる流れ。コミュニティ内で暗黙に理解できる規範を法のなかに取り込もうとするシステム
・「べっ、べつにあんたのために投稿するんじゃないからね!」
・大きなボール一杯のトマトから、ケチャップ1瓶しか出来なかった、カゴメの事例
・会社のキャッシュが底をつき、社員の給料を借金でまかなう日々。ソーシャルメディアのビジネスモデルが確立し、借金完済した時の爽快感

雑感

装丁がシンプルかつスタイリッシュで良いです。
この手の本は、ものによっては小さい誤植だらけで内容以前のところで辟易したりするんですが、本書はまったくそんな点がありません。
著者も編集者も、しっかり校正されている証かと。

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