フィギュアスケートの深淵を覗き見る「氷上の光と影」の読みどころ

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氷上の光と影―知られざるフィギュアスケート (新潮文庫)

概要

フュギュアスケート選手が氷上で見せる美しい演技と、その裏にある血の滲むような練習の積み重ね。あるいは、芸術性の高いスポーツというイメージの影にあるビジネスや水面下の争い。ノンフィクションライターの田村明子が、1993年から続けてきたフィギュアスケートの取材を通して知ったフィギュアスケートの二面性を、冷静な筆致で書いた一冊。

各章の読みどころ

第1章

トリノ五輪女子フリーの試合の様子が、時間の経過に沿って書かれている。「荒川選手が金メダルを獲るかもしれない」という緊張と期待の入り混じった現場のドキドキ感が、生々しく伝わってくる。

第2章

フィギュアスケート選手が起こした事件、試合がどこの国で開催されるかによって採点の有利性が変わることなど、世間であまり知られていないフィギュアスケートの暗部が書かれている。

第3章

氷上を彩った過去のフィギュアスケーターや、ジャンプやスケーティングの美しさなど、フィギュアスケートの「歴史」と「技」について書かれた章。村主章枝選手の率直なコメントが面白い。

第4章

コーチや振付師、ジャッジなど、選手を支える人たちに焦点を当てている。日本人にも馴染み深い外国人コーチたちの逸話は興味深い。

第5章

2004年に変わったフィギュアスケートの採点方式は、問題点を多く残し未だに改変されて続けている。本章の新採点方式についての解説は、丁寧で分かりやすい。

感想

年季の入ったフィギュアスケートファンにとって、フィギュアスケートをより深く知ることができる貴重なノンフィクションであり、また、初心者の入門書としても最適な一冊だと思います。

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