月の影 影の海(上) のお気に入りの文章

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月の影 影の海(上) 十二国記 (新潮文庫)

あらすじ

「あなたは私の主、お迎えにまいりました」
学校に、ケイキと名のる男が突然現れて、陽子を連れ去った。
海に映る月の光をくぐり抜け、辿り着いたところは、地図にない国。そして、ここで陽子を待ち受けていたのは、のどかな風景とは裏腹に、闇から躍り出る異形の獣たちとの戦いだった。
「なぜ、あたしをここへ連れてきたの?」
陽子を異界へ呼んだのは誰なのか?帰るあてもない陽子の孤独な旅が、今始まる。

お気に入りの文章

  • 夜をむかえはじめた曇天の空は暗い。大きなひだを見せる雲に、どこからかもれた夕日がかすかに赤い光を投げていた。

  • 他人を怒鳴りつけたのは記憶にあるかぎり、生まれてはじめてのことだったが、いったん叫んでしまうと、身内には奇妙な高揚感があった。

  • 濃く潮の匂いがする。潮の匂いは、血の匂いに似ている、と陽子はぼんやりそう思った。

  • 「人殺しはいやぁっ!!」

  • まるでなにかの罠の中にはまりこんでしまったようだ。ごく当たり前に見えたあの朝にはすでに何かの罠の中にあって、それが時間とともに引き絞られた。おかしいと思った時にはすでにぬきさしがならなかった。

  • いつの間にか月が高い。冴え冴えと白い光を浴びて刃がさらに白かった。

  • 耳にひそかな音が聞こえはじめる。潮騒に似た、かすかな音。

  • ひとは身内に海を抱いている。それが今、激しい勢いで逆巻いているのがわかる。

  • 強くなくてはぶじでいられない。頭も身体も限界まで使わなくては、生きのびることができない。

  • 友人、と呼んでいた誰もが実は友人ではないことなど、心のどこかでわかっていた。人生の中のほんのいっとき、狭い檻の中に閉じ込められたものどうし、肩を寄せ合っていただけだ。進級してクラスが別れれば忘れる。卒業すれば会うこともない。おそらくは、そんなことだったのだ。そう思っても、涙が込みあげた。

  • 死にたくないのでは、きっとない。生きたいわけでもたぶんない。ただ陽子はあきらめたくないのだ。

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