至極真面目な生殖器の本「ヴァギナ 女性器の文化史」

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ヴァギナ 女性器の文化史 (河出文庫)

ヴァギナの民族文化史

・バウボの美女:紀元前5世紀、すでにヴァギナは擬人化されていた。

・歴史のある時点では、女性の生殖器は、世界とすべての生命の破滅の瀬戸際から引き戻す触媒となるほどの力を持つとみなされていた。

・多くの学者が指摘しているが、西洋の究極の性のシンボル、ハートは、ヴァギナを表したものにほかならない。確かに生殖器が興奮し、自分の意志で陰唇が開いた状態にあるとき、ヴァギナの見える部分の輪郭は紛れもなくハートの形をしている。

ヴァギナの言語学

・「ペニス」という言葉は、男性の器官が動物のある身体部分に似ていることから名づけられた。ペニスは動物のしっぽを表す古語である。

・「ヴァギナ」という言葉も、類似から名付けるという伝統に従っている。ラテン語では、その言語はもともと剣を保護するための覆いである鞘を意味していた。

・女性の子宮には角があると、何世紀ものあいだ当然と受け取られていた。実際、子宮の輪郭は驚くほど雄牛の頭に似ている。角があるはずのあたりに卵管がのびている。

・日本ではクリトリスのことを法珠という。仏教では「宇宙の法の宝石」を意味する

ヴァギナの動物学・昆虫学

・ブチハイエナのメスはオスよりも体が大きい。またクリトリスはオスのペニスほどのサイズがある。この突起物を通して排尿する。その上、そのクリトリスの先端から子供を生む。

・ワラビーにはぜんぶで3つのヴァギナがある。

・動物では単婚ではなく、一雌多雄が標準的なことに科学者が気付き始めたのは、やっと1970年年代になってから。現在では単婚性と言えるメスは全体のたった3%にすぎないと考えられている。

ヴァギナの解剖学史

・クリトリスで誰の目にも見えるのは非常に鋭敏な頂の部分だけ。実際には頂部と体部と脚部からできていて、多くの人の認識より遥かに大きい。

・日本では毎年数万件の処女膜再生と呼ばれる外科手術が行われているという。だが顧客は日本人だけではない。処女膜の有無に命がかかることもある中東の裕福な女性たちも手術を受けに来る。

・女性のクリトリスは、ペニスの相同器官や名残りではない。女性のクリトリスは男性では陰茎海綿体と呼ばれている。むしろ男性にもクリトリスがある、という表現の方が近いと著者は言う。

愛の液の世界

・骨盤底の筋肉を鍛えると男女両性の性的快楽を強化する。

・すべての女性に射精(潮吹き)がみられないのは、骨盤筋肉の強さも理由になっている。筋肉の強い女性は、性的興奮状態とオーガズムのときに筋肉が力強く収縮し、その力によって前立腺から液体が飛び出すと思われる。これは研究によって裏付けられている。射精する女性のPC筋はしない女性のほぼ2倍。

匂える園

・ローマ時代には、鼻は生殖器の象徴とみなされていた。大きな鼻を持つ男性は同じ位に大きなペニスをもつとみなされた。今日でもその名残りがあるが、解剖学者は「死体を解剖していて反対のことによく出会う」という。

・ルソーに言わせれば、嗅覚とは「記憶と欲望の感覚」。

・1884年、アメリカ人外科医は、呼吸器と鼻の粘膜はクリトリスやペニスの海綿体と同じ、勃起性の組織からできていると指摘した。

・性的刺激を受けたり、性交したりオーガズムに至ったりした後に鼻が詰まった感じがするのは、鼻の粘膜が勃起するせい。

・無嗅覚症状患者の4分の1は性機能不全になる。

・芳香というのは、女性の生殖器の香りだと言ってもいいほどだ。麝香、百合、竜涎香、ヴァニラ、すべて濃厚で豊かで官能的な香りである。

・性的興奮を阻害する最大の要素は不愉快な体臭だというだという研究がある。

オーガズムの働き

・バイブレーターはかつて医療器具だった。そしてアメリカでは、ミシン、扇風機、湯沸かし器、トースターに続いて5番目に電化された家庭用品となった。

・実験室での1時間あたりのオーガズム最多記録に、女性134回、男性16回というものがある。

・とくに強烈なオーガズムのときの脳波は深い瞑想状態にある人間の脳波に似ているという。

・オーガズムの特徴について、最近非常に驚く発見があった。それは、この筋肉の収縮は、人間が体験する最初の感覚の一つだということである。

・脳は強力な性器である。おそらくは最も協力なもので、もし、過去の経験から無視したほうが「安全」で「よりよい」となれば、性的な合図をすべて打ち消すことさえできる。物理的な興奮が完全に「無視される」こともあるのだ。

おわりに

本書は図解や写真を多用しており、それが理解を深める大きな手助けとなっている。より実践的な内容を知りたい男性は、ぜひ本書にも目を通して欲しい。そして女性こそ本書を読み、自分のヴァギナにもっと誇りを持って欲しい。

ヴァギナ 女性器の文化史 (河出文庫)

ヴァギナ 女性器の文化史 (河出文庫)

  • キャサリン・ブラックリッジ

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