自分探しが食い物にされる社会

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自分探しが止まらない (ソフトバンク新書)

第1章 世界に飛びたす日本の自分探し

□ 自分探しの新潮流
自分探しはかつてはネガティブなニュアンスを持っていたはず。
中田英寿(1977年生まれ)、須藤元気(1978年生まれ)をはじめ肯定的に。
一方イラク人人質事件などヒロイズムや自己満足が優先された自分探しの旅も。

□ 自己啓発
自己啓発のパターン
→ある種の悩みに対して前向きな言葉を示し、最終的には
ポジティブシンキングを促す、もしくはそのままのあなたでいいと承認を与える
自己啓発、積極思考の類はほとんど意識されないまま私達の日常生活に溶け込んでいる

□自己啓発と自分探しは親和性が高い
ここではないどこか、もっとすばらしい何かを求める。環境を変えることで自分を変えよう
という心性。一種のドラッグ

そこそもこれほど多くの若者を海外や自己啓発に向かわせてしまう今の日本の下部構造は
どうなっているのだろうか。

第2章 フリーターの自分探し

□世間のフリーター認識
フリーター=甘えといった精神論から、格差論などにより社会の歪みとして擁護

□フリーターの黎明期
1987年リクルートが「フリーター」という映画を制作。フリーターという言葉をスタイリッシュに。
しかしバブル景気(1986-1991)真っ最中で少数派、クリエイター思考のようなアッパー願望を伴うものだった。

□フリーターの増加
95年レポート 経団連「新時代の日本的経営」に象徴される新自由主義(ネオリベ)
新たな企業の就業形態の元で、社会の側が明確な目標設計を提示できなくなり、「やりたいこと」が重要視されるようになる
就職活動=脅迫的に自己啓発を迫り、自分探しを突きつける

□夢を追うことのデメリット
若者が夢に邁進する社会は転落していく。
1940年代アメリカ黒人がジャッキー・ロビンソンの成功を機に夢を追うようになり、結果賃金の低い仕事につくことになる
つまり、野球おtいう夢についやした時間を学校の技能の教習に使っていればもうすこしまともな仕事に就けただろう

□マニュアル化により失われたモノは?
1昇給
2自負心
あらゆる分野にマニュアル化が進み、やりがいが残された仕事に就いているのはごく一部の人間に。
※コモディティ化

第3章 自分探しが食い物にされる社会

□自分探しビジネス
・ボラバイト(ボランティア+アルバイト) 桐野夏生「メタボラ」
・軌保博光
・ホワイトバンド
・共同出版ビジネス
・自己啓発系居酒屋「てっぺん」、和民
・ラーメン屋

第4章 なぜ自分探しは止まらないのか

□自分探しが止まらない背景
・満たされない労働環境
・消費による差異化が失われ消費社会への疑問

ハリウッド映画や、日本のアニメ・ライトノベル<セカイ系>に表出する自分と世界の直結した世界観
はある程度モノの満たされた資本主義社会の大きな潮流

□総括

宗教や国家が個人よりも重視される社会から新自由主義的社会へ、つまり自己責任の元の自由。
戦後の日本では、
会社が中心となって社会を作っていたが個人と企業の結びつきはすでに半ば失われつつある。
こうして頼るべき宗教や会社を失った現代では、
個人が自分で主体的に選択しを選びとる必要がある。しかしそれは簡単ではなく、
スピリチュアル、自己啓発は自分で選べない個人の増加。
この世界に個人が立ち向かうことができるような社会をつくるためにはそれに見合う努力や研鑽を各自がすべき。

感想

自分探しってなんか気味が悪い、って思ってる人、君の悪さがなんなのかよく分かるのでおすすめ。

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