マネーと債務の歴史、債務危機の長期的影響、3つの可能性

1743viewsb100mb100m

このエントリーをはてなブックマークに追加
紙の約束―マネー、債務、新世界秩序

マネーと債務の歴史

18世紀以降、経済成長のペースが加速。この段階ではマネーは金や銀を基礎にしていたが、それらの供給的限界を知らしめる
20世紀初め、金本位制が揺らぐ。第一次世界大戦の戦争債務により、国際経済は戦前に戻ることはできなくなった。債務返済の負担により大量の失業が発生。金本位制は廃止されるにいたる。
戦間期、ドイツのハイパーインフレにより、通貨供給量の無制約なコントロールの恐ろしさが理解される。
第二次大戦後、ドルを基軸通貨とする体制に移行。政府の均衡予算概念が崩れ始める。
ブレトンウッズ体制は、資本移動のコントロール、アメリカ経済政策への投資家たちの信頼により25年間は機能した。しかし1970年代に崩壊。各国政府は貿易・財政両面で巨額の赤字を計上し始める。マネーと負債の爆発的増加。
1980年代、資本市場にマネーが流入。中露の世界経済加入、技術革新、女性の進出によりインフレは抑えられる。しかし、資産価格の上昇と、増加し続ける負債を返せるだけの人口増加に依存するこのモデルは2008-9年ごろ先進国を中心に崩壊を始めている。
中央銀行は、通貨の価値・金融システムを守るという問題にぶつかる。金融緩和と政府による税収をはるかに超える財政出動だけで経済問題が解決出来る筈がない。

これからのこと・・・債務危機の長期的影響、3つの可能性

インフレーション

政府には魅力的な選択肢
世界各国の政府が債務危機に対応した結果長期的にはインフレが起こる可能性は十分ある。しかし代替案を考えるべきである。

スタグネーション(停滞)

日本がまさにこのパターンにはまっていると指摘されている。1980年代のバブルの負債の罠にはまり、GDP成長は20年間鈍いまま。金融政策、財政出動ともに行いながらも不振から抜け出せない。
日本は債務比率が上がりすぎると、政府の政策はほとんど影響を及ぼさない。ということの例である。

デフォルト

政府にとって非常に強い誘惑。
しかし国内債務デフォルトは、国民、銀行にも大きな痛手。

紙切れの約束

この40年間、世界は富そのものではなく、富の一部を要求する権利を作ってきた。経済成長以上に債務は膨らんだ。この混乱の収拾は長いプロセスになる。2008年の様に多くの失敗があり、債務はインフレで目減りしたマネーで払われる。あるいは無条件のデフォルト、返済力のある政府に渡される。
1930年の金本位制の終焉、1970年の固定相場制の終焉、そして現在の状況も深刻である。新しい秩序は到来する。しかしそれは西側の国が望む物とは限らない。新しい秩序は「メイド・イン・チャイナ」かもしれない。

感想

凄いボリューム、マネーの織りなす歴史と負債がもたらす将来を綿密に描く大作です。

このまとめと関連のあるカテゴリー

関連まとめ

本のまとめカテゴリー


コメントを書く