元リーマン・ブラザーズの保田隆明氏が、日本株式に対して、歯に衣を着せずに語った本。本書は、株式の魅力を説明しながらも、専門家達に有利なシステムであることに、警鐘を鳴らし、株式投資システムの改善を提案している。
今回のまとめは、株式投資を取り扱う「証券村」について、4つピックアップしました。
専門家に有利な「証券村」
「証券村」という弱肉強食の世界
- 「証券村」は、証券会社とプロの投資家だけが住むことを想定して作られた村であり、一般投資家は想定されていなかった。ゆえにどうしても割を食う存在になってしまっている。一般投資家はそこにあえて飛び込んでいるわけだから、あまり文句を言える立場ではないが、しかし、その飛び込んだ先の世界が本当はどういう場所なのかを理解しておくのとそうでないのとでは、全く違ってくると思われる。
株式の平均リターンに踊らされないこと
- 株式投資による平均的なリターンは 4 〜 5% とされているが、これは個人投資家と機関投資家の双方のリターンをあわせたものである。個人投資家よりも機関投資家の方が圧倒的に情報量は多く、儲ける機会もあるから、個人投資家は不利である
胴元である証券会社の手口
- 証券会社は顧客が株式を買うときも、そして、売るときも手数料が入る。こういう狼狽売りのときにももちろん手数料が入る。したがって、マネックス証券などは、勝手にさっさとライブドア株式の担保価値をゼロにし、自らの主要顧客である一般投資家を翻弄させ、狼狽売り状態にし、資産価値を下落させ、一方で、自らは売り注文からの手数料で儲けたと言われても仕方がない。
「証券村」で個人が損をし難い方法
- 最終的には、やはり個人が損をしないのが一番なら、市場の平均的リターンを目指して日経平均のようなインデックス投資(ETFなど)がいいのではないかという平凡なところに帰着してしまう。
感想
自分としては、基本知識としての1~4章を楽しく読めて、株式とはどういう世界なのかを把握できてすごくためになったし、この辺の知識がない人にはぜひ読んでほしいとも思えた。
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