ソーシャル・メディア時代マーケティング3.0をコトラーに学べ!

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コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則

マーケティングの変遷

マーケティングは時代と共に変化してきています。「マーケティング3.0」とは、そんなこれからの時代の変化に対応した、新しいマーケティングの考え方です。

工業化が進み、大量生産大量消費の時代には、作れば売れる製品中心に考えられたマーケティング1.0の時代。そして、市場が成熟するにつれ、競争が激化し、いかに消費者に選んでもらえるか、消費者を中心に考えたマーケティング2.0の時代。差別化やブランドに多くのマーケターが注力しました。

しかし、また社会は大きな変化を迎えています。

それは、IT技術がもたらした情報化、そして、ネットワークがつながることで、ソーシャルメディアにより消費者同士が繋がる時代。情報力を持ち、互いに繋がった消費者は、企業からの一方的な関係性ではなく、自らも「参加」するようになっており、企業は対等な関係性を築く「協働型マーケティング」が求められています。

また、グローバル化が進展する中、それに反発するかのように、ナショナリズムの高まり、文化的な衝突もまた起きています。グローバルに展開する企業にとって、国・地域の文化を尊重したマーケティングもまた、必要となってきています。

一方で、先進諸国はもとより、物質的な豊かさを越えて、精神的な豊かさを模索する時代において、スピリチュアルで、消費者の感性に訴えるマーケティングでなければ、効果が得られにくくなってきています。

本書は、そんな時代の変化を踏まえて、近代マーケティングの父、フィリップ・コトラーと、ヘルマワン・カルタジャヤ率いる東南アジアのコンサルティングファームが産み出した、21世紀のこれからの時代を見据えたマーケティングのコンセプト、企業・事業のあり方を考える指針となる本です。

時代・消費者への変化に対応したマーケティング

こうした時代の変化については、ここ数年の間に「ネクスト・マーケット」や「フラット化する世界」「ハイコンセプト」等で提示された捉え方をもとに、これまでのマーケティング2.0だけでは機能しにくくなっている背景が述べられています。

そして、その解決策の方向性として、これまでの縦型のマーケティングから、企業もまた消費者と繋がりを持ち、コミュニティを作り、共に創りげていう「共創」の必要性を説いています。

また、ブランドはそうした消費者を中心としたコミュニティのものであり、ブランドと消費者を結ぶ信頼関係を築くのに必要な「3iモデル」を提唱しています。3iとは、Brand Identity, Brand Integrity, Brand Imageであり、これらが差別化され、消費者の頭の中でポジショニングが築かれている状態でなければなりません。

これはつまり、消費者の持つブランドと企業・事業が提供する価値の一貫性が重要であるということであり、この点はブランディングという観点においては、特に目新しい視点ではないかと思います。

本書が単なるマーケティング戦略に留まらないのは、この考え方に従い、これからの企業・事業の在り方を再定義している点にあるかと思います。

企業の在り方から考えるマーケティング

企業は、この時代変化を捉え、企業として目指すビジョン、ミッションや価値観をマーケティングする事が重要であると言います。

対消費者はもちろん、価値を提供する従業員やサプライチェーンに対して、投資を行う投資家に対してもマーケティングを行う必要性があります。

その企業のビジョンや価値観には、企業の営利的なものだけではなく、より社会文化的な変化を創出が求められる時代であると言います。近年のCSRの高まりや、コーズマーケティングへの取り組みなどもこの流れにあるでしょう。本書では、こうした企業の存在意義、事業の意味について多くがさかれている点が特徴的だと感じました。

マーケティングの新しい潮流

後半の8章、9章では、今後注目されるバングラディッシュやインドなどの新興市場におけるマーケティングの要点としてマイクロファイナンスやSBEについて。環境を意識した持続可能性を実現するためのグリーンマーケティングについて紹介されています。

こうした時代の変化はグローバルで見るとより顕著ですが、日本国内においても、こうした傾向は出てきています。

マーケティング担当者はもちろんですが、マーケティングに留まらない本書の内容については、是非経営者の方にも読んでいただきたい。

コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則

コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則

  • フィリップ・コトラー,ヘルマワン・カルタジャヤ,イワン・セティアワン
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