閉塞した時代を少しずつ変えるための心構え

2113views折笠 隆折笠 隆

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僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか 絶望から抜け出す「ポジ出し」の思想 (幻冬舎新書)

僕らはどうして「ここ」に流れ着いたのか

日本は高度成長期を経て、73年以降は安定成長期に、90年以降は低成長期へ突入。

  • 成長鈍化の理由は、一定の生活水準・労働供給が整ったため
  • 政府の支出は増える一方で、収入は減り続けている

経済の動向と政府のシステムはリンクしている。

  • 安定成長期には、族議員はカネを奪い合い地元の圧力団体を懐柔
  • だが低成長期には配るカネがない → 自民党離れ&無党派層の増加
  • いまや配り合いの時代から削り合い(誰に痛みを押し付けるか)の時代へ
  • 予算が限られるから、各政党とも政策が似てくる
  • 閉塞した時代は、第三極としての排外主義が台頭しがち。警戒を

僕らはどうして間違えた議論をするのか

税率アップイコール税収増ではない。景気悪化で税収減の可能性もある。

  • 消費税増税は仕方ない、と思っていないか?
  • 社会保障に使うカネの財源が、なぜ逆進性の強い消費税なのか

経済縮小をただ受け入れるだけの「経済停滞宿命論」は認められない。

  • 脱成長は脱競争を意味しない。むしろ減りゆくパイを奪い合い競争激化、格差が広がる地獄絵図に
  • 高度成長の再現は無理としても、別な形の成長を模索するのが正しい態度

制度の検討をするときは、制度そのものだけでなく構造や景気の要因も含めて考える必要がある。

僕らはどうして国民益を満たせないのか

政策の多くは、省益(省庁の利益)が国民益に優先してしまっている。チェックを怠るな。

  • 例えば都のネットカフェ条例。警察には捜査権拡大の利益があるが、利用者(国民)は面倒なだけ
  • 行政の啓発活動は、省益を目論んでいるものが多い
  • 監視のため、メディアはアーカイブ性の強化(情報のストック)と相互チェック機能の強化を

僕らはどうやってバグを取り除くのか

ある問題を個人の能力やモラルに帰する「個人モデル」には限界がある。

  • 環境や制度など、社会側にある課題を見落としてしまうから
  • 対する「社会モデル」は、社会制度の不備が個人の問題を生み出しているという考え方

両者をバランスよく取り入れて解決を図ろう。
 

目の前にあるバグ(問題)を丹念に取り除いていこう。

  • 弱者とは弱い人ではなく、社会によって弱らされている人
  • バグを少しずつ改善すれば、少なくとも今より少しだけバージョンアップした社会になる

「社会疫学的」な思考も有効。

  • 問題を生み出す要因や影響を精査し、功利的(社会全体の利益になる)な解決法につなげる
  • 例えば、引きこもりや刑務所出所者へのケアは、結局は社会的損失を減らすことになる
  • そんな奴は甘えているんだからたたき直せ、というような個人モデル思考では何も変わらない

今後は、社会モデルや社会疫学的思考がますます重要になる。
 

僕らはどうやって社会を変えていくのか

選挙だけが政治参加の手段ではない。

  • スマートデモクラシー/大衆の限定的なコミットを最大化する。ネットと相性がいい
  • NPOや社会企業家への支援もひとつの案
  • シングルイシューでのセミプロ化/ある一つのテーマの専門知識を蓄え、情報発信・改善の実行を

「そんなことでは、結局みんな変わらないよ」と言うのは間違い。

  • みんなではなく「あなたがどうするか」が問題だから
  • 小確効ソリューションズ(=小さくても確実に効果がある方法)で、少しでも動いていこう

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