不安な老後→不安な現代

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上野先生、勝手に死なれちゃ困ります 僕らの介護不安に答えてください (光文社新書)

団塊の世代の上野千鶴子と団塊ジュニア世代の古市憲寿の対談。不安な老後についての対話であるばかりではなく不安な現代という時代についての対話。

何が不安なのか

・親子関係が徐々に変わって行くことに対する関係不安
・実際に介護が始まったらどうなるか。介護不安
・経済不安、制度不安
・同居不安、就労不安
・意思決定不安、孤独への不安
→親子の庇護関係を変えたくない、親のケアをするほうに回りたくない。
団塊の世代は一生子どもでいたいという世代を育てた。

介護保険って?

・1997年に国会で成立し、2000年に施行された
・満40歳以上の全ての国民(および定住外国人のうち希望者)
・要介護状態の判定はADL(アクティビティオブデイリーリビング)の自立。食べること、排泄すること、入浴すること。
・要介護度には「要支援(1・2)」「要介護(1〜5)」の段階があり、介護度別に利用料の上限が決まっている。上限は約36万円。上限を超えるまで本人負担は1割
・介護はお金と人手のバランス。カネを出すか手を出すか
・介護保険導入以降の親族の役割は、責任と意思決定。基本的に老いと介護は親本人の問題なのでできるだけ親本人の意思を子どもは知っておくべき。

不安な老後→不安な現代

・老後は年金だけで食べられない。年金を下支えにして、キャッシュフローを一生涯、手にし続けるようなライフプランを立てるしかない。
・正規雇用はワーカホリックなハードワークで、非正規雇用は使い捨て。この中間のディーセントワークがない。働き方の質と量が選べない。
・90年代からの20年間で雇用崩壊。バブルが崩壊し経済が右肩上がりにならなくなった中で既得権益を守った世代。
・同時期、しかもネオリベ改革により自己決定・自己責任の原理が内面化

少子化で先細りという不安

・正規雇用者と非正規雇用者では正規雇用者の方が婚姻率が高く、出産率も高い。女に私生活を破壊するようなハードワークでない安定雇用が処方箋になる。
・この数年で若年雇用問題として取り上げられるようになったことに対して女性は昔から異議申し立てしていた

若者の不安と不満

・人は「今日よりも明日がよくなる」と思っていると、今に満足しない。だけど、「もう今の状態よりもよくならないだろう」と思うと今の生活に満足していると答えざるをえない。
・高齢者と同様、生活満足度が高い。
・不安はあるが不満はない若者。老人化。
・将来の日本に対して明るい材料が何も見出せない。現役人口の減少、原発事故、円高、資本の国外移転。
→衰退にもいろいろなモデルがある(シンガポール、イギリス、デンマーク・スウェーデンなど)。どれを選ぶかは自分達。
・コンサマトリー(現時充足的)、「今、ここ」で仲間と過す時間を大切にするというメンタリティ。

共感の力

・共感「自分もそうでありえたかもしれない」
・一人だけで勝手に幸せにはなれない。自分の周りにいる人間が幸せであることが自分の幸せに関わってくる。
その大切に思う範囲がちょっとずつ広がっていったときに何かのムーブメントになる可能性がある。

感想

そろそろ親の介護のことちょっと考えとかなきゃいけないけど、介護保険って何?という人や、なんとなく今の若年層って割食ってるよね?って思ってる人などにお勧め。これだけ世代の離れた対話だがお互いの差を認めて理解したうえで真摯に対話し、最後には親友になっています。

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