クーリエジャポン誌でのインド特集をまとめた!

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インドのことはインド人に聞け! (COURRiER BOOKS)

クーリエジャポン誌でのインド特集をまとめたもの。インド国内の雑誌の記事を翻訳した内容のため、イメージではない、「今」のインドの姿を知ることができる。インドも日本と似たような問題を抱えていることが本書でわかる。

目次

第1章 消費社会化するインド

第2章 劇的に変わった結婚観と家庭像

第3章 インドの神様は現代人を救えるか

第4章 「インド式」教育の実態

第5章 ボリウッドは社会の変化を映す

第6章 現地ルポ 中島岳志が見た「インド社会の変化」

メモ

・中流会級が亡命するゲーテッドコミュニティ。政府への圧力が弱くなる

・ヘルシーな日本食レストランにインド人が来るようになった
カレーが辛くなくなるなど、インド人に味覚の変化が起こったりしている

・先進国において、美容産業はGDPを上回るベースで成長する

・結婚サイトへの抵抗はない

・10代の自殺率世界平均は10万人あたり14.5人だが、インドは女子148人、男子58人にも上る(キリスト教医科大学)
背景には若者の将来の不安要素として、同世代の人口過多による就職難、といった社会の構造的問題がある。

・競争世界にさらされる人々がスピリチュアルな世界に救いを求める

・インド創価学会の会員は3万8000人以上

・識字率は65%

・インド人も英語習得に必死

・突出したエリートを生み出すが、全体的な教育の提供はおざなり

・インドがどんなに多くのアカデミー賞を受賞しても、本来恥ずべき傷を正当化したり、それにロマンを感じたりしてはならない。

・「スラムドッグ$ミリオネア」はむしろ、美しい言葉で隠蔽されたり、美化されようとしたりしているスラムの現実を思い出させる先品であるべきだ。

・スラムの生き生きとした人間関係にロマンを見出すのは、スラムが抱える問題を覆い隠す隠すだけでなく、都市中間層の空虚感や不安を埋めようとする作用を持っていることにも注視したい

・ヨーガとは本来、身体を宇宙の縮図とみなし、その身体を操作することによって宇宙との一体化を感得する宗教的修行、であるが、今は健康志向やダイエット、ストレス解消目的に使われている

・宗教のディズニーランド、アクシャルダーム

・この子供達の姿と、背後にそびえる建築中の豪華なマンションのギャップに、インドが抱える深刻な格差の問題がくっきりと表れていた

・「日本的なるもの」への距離感が生まれているが故に、「日本的なるもの」を渇望するという欲求が生まれている

・チャンディーガルの志向の背景には、インド初代首相ネルーの強い思いが反映されている。
彼はチャンディーガルにインドの未来を託した
貧困、不衛生、カースト、宗教対立などの負の側面からインドを解放し、新しい近大国家として立ち上げることを目指した。

・彼はチャンディーガル構想を、自らの思想を空間化する事業として捉え、都市計画と建築物によってインドを思想的に矯正することを目指した

・ル・コルビュジェが設定したゾーニングも、現代社会のなかでほころびを見せている。
現在のチャンディーガルは、独立以後のインドが目指した「理想」と経済自由化以降のインドが目指す「理想」が交差した複雑な風景に彩られている

感想

日本では日々、国内の深刻な事件が報道され、希望を見出すのが困難になっている。
だが、他の先進国はどうなのだろうか?
先進化の軋轢によって生じた歪みがあるのではないか。
本書でその一つの答えを得ることができた。
先進化により進む、文化的豊かさを求めるための美容健康ブーム、それにより失われる伝統的習慣、広がる格差、自殺する若者、自らの意思を尊重する結婚観への変化、子供との意思疎通ができないことによる家庭崩壊
、改宗・簡易化した礼拝といった宗教観の変化、教育問題など、日本とそう変わらない問題をインドは抱えていた。
中には日本以上に深刻な問題もある。
本書を読むと、インドに対して持っていたイメージが変わるはずだ。
既存のイメージとしではなく、現実としてのインドと向き合う必要がある。

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