薬種御庭番の書評まとめ

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薬種御庭番

『薬種御庭番』には、一般の単行本2冊分の物語が収録されている。また、これまで、ほとんど取り上げられることのなかった、「採薬師」をテーマとした小説である。

※「採薬師」とは、薬草などの採取を職務とする者のことをいう。時に、隠密任務を兼ねることもあった。徳川吉宗は、海外の植物を国内栽培させようと考え、採薬師(小説の中での役職は「薬種御庭番」)を全国に派遣して働かせていた。

『薬種御庭番』に収録されている2つの物語の概要は以下のとおりである。

(1)黄金の影

第2回朝日時代小説大賞のベスト3に残った作品。

主人公は、薬種御庭番である。普段は、江戸の小石川薬園にて薬草の栽培に従事し、吉宗の命令によって、遠国御用に出向いて、諸国の珍しい薬草を採取する。と同時に、諸国の内情を探る、密偵任務も兼ねている。

ある日、主人公は「薩摩藩の川原に咲いている、黄金の花を手に入れよ」という命令を受ける。

薩摩藩は幕府に反抗的な、危険な領地であるが、主人公は、仲間とともに、薩摩藩に潜入する。果たして、主人公たちは手強い薩摩藩士との壮絶な死闘を制して、何とか黄金の花を手に入れられるのか。そして、黄金の花の正体を明かせるか。

(2)朝鮮人参を入手せよ

主人公は、滋養の高い朝鮮人参を国内に普及するため、新しい栽培法を試すために、朝鮮人参の種子を入手する採薬師の一行に選ばれた。

朝鮮貿易を請け負っている対馬が、なかなか朝鮮人参の種子を公儀に献上しないので、調査に出向くのだ。

対馬は、裏で各地に朝鮮人参を密売しているという、不正の疑惑も出ている。密売の現場を押さえようと、奮闘する主人公たち。敵の罠を躱しながら、危機を脱して、無事に任務を果たすことができるか。様々な国の思惑が交差する。

主人公は、朝鮮人参を国内に普及して、貧しい病弱な人々を救うという、悲願を達成できるのか。実在の人物や史実を踏まえながら、物語は進んでいく。徳川吉宗が行った薬事政策の裏面を描いている。

薬種御庭番

薬種御庭番

  • 高田在子

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