不労所得のない会社員が少しでも楽にラットレースを走る方法について

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僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか? (星海社新書)

『資本論』の概念

●商品の使用価値:使用者にとっての有益性。
●商品の価値:生産に必要な労働量の合計。原材料の生産に必要な労働量を含む。
●労働者の価値:労働者自身の生存維持のための費用。労働の再生産コスト。

マルクスのモデルは、全ての商品が価値に等しい価格で売られている世界。

このモデルで企業が利潤を生み出す理由は剰余価値が発生するため。

●剰余価値:労働者が生命維持に必要な分以上に生産した価値
●絶対剰余価値:労働時間の延長により生まれる価値
●相対剰余価値:労働者の価値が下がること(=生活コストの低下)で生まれる価値
●特別剰余価値:技術革新により生産性が向上することで生まれる価値

筆者による現状分析

筆者は、いまの日本的企業にマルクスの分析が適用できると主張する。

●日本の多くの企業では、給与は労働者の価値によって決まっている
●外資系企業の給与は利益の再分配になっていることが多い

労働者の価値については現代に合わせてアレンジしている。

●精神的疲労の回復コストなども労働者の価値に含まれている
●年功序列式の給与の根拠は、独身の若者より家族持ちの中年の方が生活コスト(=価値)が高いから
●医者などの給与が高いのは、スキル獲得に必要な価値が高いため、労働者としての価値が高まる

ラットレースの中で少しでも楽をしよう

会社員の立場のまま、できるだけ苦労せずにできるだけ高い価値を生むことを目標にすると、次のような戦略が考えられる。

●同じ仕事をしても他人に比べ自分だけがストレスを感じにくいような職種に就く
●知識やスキルを獲得し、労働時間を増やす以外の方法で価値を高める
 ◎将来の価値を高めるために、知識やスキルを獲得しやすい職種に就く
●知識の陳腐化が少ない職種に就く

感想

1章2章の『資本論』の紹介(および筆者による拡張)は非常にわかりやすく書けていると思うが、なぜマルクスを引用したのか理解に苦しむ。特に、剰余価値の話題はその後の論理展開に不要だと感じた。

また、筆者が『金持ち父さん貧乏父さん』の影響を受けたと言っているにもかかわらず、結論部でその教えに到達していないのが気になった。あの本の主張は、自分が働かなくても金が入ってくる仕組みこそ資産だというものだったが、スキルが資産だというのではラットレースから全く抜け出せていない。そう言いつつ、筆者は『金持ち父さん』でいう資産になりうる書籍を執筆し続けているというのはアンフェアではないか。

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