明治時代っぽい雰囲気で繰り広げられるスーパー人外大戦!宵闇眩燈草紙 (1)の書評・感想

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宵闇眩燈草紙 (1)  Dengeki comics EX

明治時代っぽい雰囲気で繰り広げられるスーパー人外大戦

前半はヤブでモグリの医者「京太郎」が 
怪しげな骨董屋の主人「美津里」と
風来坊で 正体がからす天狗の「飛烏龍」という人外な力をもつ連中に巻き込まれ
死ぬような思いをする話

分りやすく言えば「性格が悪いマーブルヒーローズ」に
「何故か連れられ 死ぬような思いをする一般市民視点」の話です

忍術、道術、錬金術 ファンタジー設定てんこもり

基本的に

一話完結の不思議な異世界の話と 冒険活劇
 

数話に渡る長編 

で構成される本作ですが

味方である飛烏龍が普通に空を飛べ
「変わり身」や「招雷」「アポーツで武器無限取寄」「台風召喚」などの
チートすぎる能力を持っているため
ヤクザやマフィア程度では 相手にすらなりません

そのため 敵となる存在もチートそのもの

亀やカラスの化け物 や 改造人間 「超巨大怪物」 
などバラエティに富んだ人外で一杯です

特に恐ろしいのが 中国産の幽幻道士で吸血鬼の「馬呑吐」

キリストより先に生まれたであろう長生の吸血鬼は
「十字架や杭は一切効かない」し
「五体をバラバラにしても 体を灰にして海にばら撒いても」
一年もすれば復活するという不死身な存在

これくらいの芸が出来ないと目立つ事すら出来ないのが本作の特徴です

注目すべきは3 4巻

行方不明になった人間を探すため うらぶれた漁師町を舞台とした話は
住民全員が魚のような風貌で排他的という
クトゥルフ神話「インスマスの影」のオマージュとなっています

そこで繰り広げられる物語は壮観の一言

他作品での主人公も一同に会して 騒乱の元との混戦を始めます

特にラストでの

幽玄道士の馬呑吐が 死者 キョンシーの骨で作り上げた がしゃどくろ
錬金術師の巨大ロボ
契約で呼び出されている超巨大な悪魔
住民達の長で長生きの末 巨大な体に成長した水棲生物という

体長20mを超えた巨大幻想生物たちの戦いは一読の価値あり

こんな強大な存在の中で「人間サイズのまま戦う飛烏龍」

大天狗 太郎丸より受け継いだ大団扇で特大の雷を召喚し怪獣達に一歩も引きません

最期にはクトゥフ様もゲスト出演するよ!

あれ?これスーパーロボット大戦でしたっけ?

特筆すべきは物語の上手さと物語

これらの壮大な物語に一枚絵のような上手さで書かれた本作ですが

それ以上に注目すべきはキョンシーとかからす天狗とか 
ゲームやファンタジー好きならどこかで聞いた事のある設定を
幅広く 無制限に話しに盛り込み
物語を破綻させずに世界観を広げる

と言う芸当

見事と言うしかありません

平野耕太先生の「ドリフターズ」が歴史上の偉人たちを集めた物語だとすれば
本作は「世界中のファンタジー設定を集めた」物語

全世界の幻想設定が 何の違和感も無く乱れ飛ぶ様を描く本作は
ゲームやファンタジー小説が好きな人間にとって夢のような戦いなのです

なお基本的に本作は「無力な主人公が後悔する話」が多いので 後味の悪い話が多いです
苦い大人の世界を味わいたい方にもおすすめします

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