生ける武神の半生記!空手バカ一代(1)の書評・感想

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空手バカ一代(1) (講談社漫画文庫)

目指せ超人!当時の読者が憧れた 生ける武神の半生記

先日 週刊少年チャンピオンの看板作品「範馬刃牙」が終了しました

そして作者 板垣先生の次回作の告知の際に以下の文章が添えられていました

事実を事実のまま
完全に再現することは
いかに
おもしろおかしい 架空の
物語を生みだすよりも
はるかに困難である

これはアメリカの作家ヘミングゥエイの言葉ですが
この言葉を日本の少年たちが知るきっかけになったのは板垣先生が敬愛し
日本のマンガに「劇画」というジャンルを定着させた原作者

「梶原一騎」という作家によるものでした

本作は上記の言葉から始まる一人の空手家の物語なのです

牛殺し 大山増達

物語はアメリカのビルの一室から

一人の男が数人の武装したギャングに取り囲まれるという状況で始まります

武器に囲まれ絶体絶命な状態

それを男は一瞬のうちに無力化し 悠々とビルから出て行きます

これが「親指だけで逆立ち」をし 「指の力だけで硬化を曲げる」 

「素手で牛を殺す」という超人技を成し遂げた伝説の空手家「大山増達」の物語の始まりです

本作の記述は時代を飛び 波乱に満ち溢れた人生を熱い筆致で語りかけます

 単身渡ったアメリカでの屈強なプロレスラーとの戦い

 ロシアの非合法な地下プロレスでの命がけの戦い

 力道山への挑戦

 他流派との百人組手 真剣を持った剣術家との命がけの勝負 

などの普通では絶対に味わえない真剣勝負の世界や

 ムエタイ カポエラ サファーデ(フランスの格闘技)との戦い 

など、当時の読者は未知の格闘技(当時は外国の情報は殆ど入ってきませんでした)を使う強敵に固唾を呑み
スポーツライターでもあった原作者の細かな解説に心躍らせました
  

そして彼らはこの人間離れした男の武勇伝に憧れ 彼が経営する道場へと足を運んだのです

本作は「強くなりたい」というシンプルな欲求を貫き通した男の記録です
男なら一度は夢見た最強の称号を、求道者のように探求する姿は多くの人間に感動を与え

板垣先生や「修羅の門」の川原先生「タフ」の猿渡先生が格闘漫画を書くきっかけとなります

余談ですが「バキ」に登場する愚地独歩の経歴は本作の主人公がモデルです
(格闘家としての姿は中村日出夫に近いですが)

貴方も当時連載を週刊5本 月間6本は抱え一時代を築き、手塚治虫に嫉妬と危機感を抱かせた
空前絶後の原作者

そんな彼が一番精力的に活動していた時期の作品を読んで最強を目指してみませんか?

(注:最初の記述と背反しますが、本作は漫画と言う媒体上いくつかのフィクションを含んでいる事が関係者の主張で明らかになっています
 本作の真似は危険ですので 絶対同じような体験をしようと考えないでください(台無し)) 

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