男くささ溢れるフランス革命史!ナポレオン 1―獅子の時代の書評・感想

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ナポレオン 1―獅子の時代 (ヤングキングコミックス)

男くささ溢れるフランス革命史

コルシカの英雄 ナポレオンボナパルトの人生を書き綴った本作。

この時代を題材にした漫画では不屈の名作「ベルサイユのばら」や「エロイカ」があります

これらの本を読まれた方はにとってフランス革命からナポレオンの時代は、フランスと言う地を舞台にした華やかでエレガントな貴族と貧しい農民や兵士達の錯綜する政治的な争いをイメージされる方が多いと思われます。

私もそうでした。………………この本を読むまでは。

が、本作はそんな視点の歴史とは「真反対の描写で」この時代を書き表します

てめえらに明日を生きる資格はねぇ!と言っても全然違和感のない漢たち

表紙の絵からお分かりの通り、本作は原哲夫先生テイストに溢れた男らしい作品に仕上がっています。

本作のキャラはほぼ全員、北斗の拳に出てきそうな筋骨隆々の軍人達です

大砲で撃たれれば秘孔を突かれたモヒカンのごとく体を破裂させて死にますし
死体にはウジだってわきます
ギロチンでの断首シーンだってしっかりとかかれますし
傷病兵の切り落とされるシーンが当然のように出てきます

リアルな描写による本当のフランス革命前夜がここにはあります

虚飾を取り払えば実際のフランスとはこのような光景だったのではないか?と思えるほどその描写は見事です

あと、ダントンが愛妻家で「出張中に急死した妻の亡骸を一週間後に掘り起こし、胸像をとって飾っていた」というエピソードも少しアレンジしてしっかりカバー。

歴史的に正しいけど、エレガントな世界では絶対に描けない描写も本作では取りこぼさずに記録しています

冗談めかして書きましたが、本作には限りない「歴史への真摯さ」があるのです

登場人物も大体が濃い面子ぞろい

ネタバレになるので細かい描写は避けますが、ベルばらでは若い理想化といったかんじの美青年ロベースピエールが冷酷無比の出っ歯眼鏡野郎で、一番インパクトに残った言葉が「私は童貞だ」だといえば、その濃さが伝わるのではないかと思われます

しかも読み進めていくと「むしろこっちの方が正しい人物像じゃね?」と
頭のネジが三本抜けたような感想を持ち始めるくらい、魅力的な人物描写の結果である事に気づかれるはずです

本作を読む際は、思い込みを捨てて読むことをオススメします

終わりに

本作はこのように我々日本人がもつ、おしゃれで優雅なフランスというイメージを正しい方向にぶち壊しています

このような舞台設定で描かれる稀代の天才ナポレオンの姿を再確認してみてはいかがでしょうか?
単なる用兵の天才、卓抜とした軍略家としての姿とは全然違った、「血と硝煙と臓物にまみれた皇帝の半生」をご覧になってみてください

きっと誰かにもこのインパクトを教えたくなる事請け合いです。

だから今回はあえて主人公 ナポレオンについての描写は一切書きませんでした
その姿は自分の目でたしかめてみてください

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