木はいいなあの要約・感想

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木はいいなあ

要約

一本だけだと、「木」になるよ。
もう少し木が多くなると、「林」になるんだ。
もっともっと木が多くなると、「森」になる。

そんなふうにして、漢字を覚えた春があった。

原っぱのはずれには、大きな銀杏の木が一本。
銀杏の幹の、地面に近いところには洞穴があいていた。
ぽっかりあいた秘密の空間。かくれんぼのときのかっこうの隠れ場所。

もっとも、みんなが隠れたがるので、誰かが(わたし)いつもはみだしてしまったが。

洞は同時に、わたしたちの宝ものの隠し場所。
あの子は、ファとシが鳴らなくなった小さなハーモニカを。
紫色の石がとれた葡萄形のおかあさんのブローチを。

隠したのは、さなえちゃん。
サイダーの栓も、素敵な宝ものだった。

木は、子どもたちのからだも、宝ものもすっぽりと隠して、なにくわぬ涼しい顔でそこに立っていた。

木はいい。
まったく木は素敵だ。
一本でも、たくさんでも、木はいい。
木はいい。
若い木の美しさ、老木の深い豊かさ。

枝にのぼると、遠くが見える。
風が吹くと、ヒュルヒュルヒュルーって口笛を吹く。

猫は犬に追いかけられると木に逃げるし、小鳥は枝に巣を作る。
木陰の乳母車で、赤ちゃんはお昼寝ができる。
秋になって葉が落ちると、落ち葉の上を歩いたり転がったり。

けれど、わたしたちが絵本の中でしか、大きな木に会えなくなったら…。
すでに、会えなくなってしまった木が、この地球上にはたくさんある。

誰かが言っていた。
絵本の中の素敵な木を知っている子も幸福だけれど、本当の木を知っている子のほうがもっと幸福だ、と。

感想

 アメリカで1957年に出版された絵本です。環境保全が今ほど地球規模のテーマになっていなかった頃のことです。作者のミズ・ユードリイは、保育園に勤めている頃に絵本の楽しさを知って、絵本作家になったそうです。

木はいいなあ

木はいいなあ

  • ジャニス=メイ=ユードリイ

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