トロイ戦争の最後の数十日間を題材とするヨーロッパ最古の文学作品「イーリアス」の要約まとめ

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イーリアス

概要

トロイ戦争の最後の数十日間を題材とするヨーロッパ最古の文学作品である。本書の成立の背後には、口承叙事詩の長い伝統があったと推定されている。

要約

 ギリシア軍の総帥アガメムノンは、アポロンの神官クリューセースの娘を自分の女とし、手放そうとしない。このためアポロンは、ギリシア軍に疫病を送って苦しめる。疫病の原因を知ったギリシア一の英雄アキレウスは、アガメムノンに娘を返すよう求めるが、立腹したアガメムノンはアキレウスの女プリセイスを奪い取る。 
 名誉を傷つけられたアキレウスは、アガメムノンへの怒りから、母親である海の女神テティスを通じて大神ゼウスにギリシア軍の敗北を願い、戦さから身を引いてしまう。ゼウスはテティスの願いを聞き入れる。

 一方、トロイアの将軍へクトルは、出陣前に妻アンドロマケに別れを告げる。ヘクトルは夫の身を案ずるアンドロマケに、いずれ自分が死を迎えることは承知しているが、戦さから逃げることを自分の心が許さないのだ、と答えて出陣していく。アンドロマケは涙ながらに館へ戻る。
 ゼウスは、テティスとの約束を果たすため、他の神々が戦さに手出しをすることを禁じ、ギリシア軍を敗走させる。アキレウスを辱めて軍勢から失ったことを悔いたアガメムノンは、プリセイスを返して許しを乞うが、アキレウスに拒絶される。
激しい戦闘が続く。劣勢となったギリシア軍を救うためにはアキレウスの力がぜひとも必要である。

 アキレウスの親友パトロクロスは、アキレウスの武具と戦車を借りて戦場におもむくがヘクトルに殺される。親友の死を知ったアキレウスは、嘆き悲しみ、ヘクトルを倒す決意をする。アキレウスは怒りを解き、償いをしたアガメムノンと和解する。アキレウスの名誉が回復されてテティスとの約束が果たされたので、ゼウスは神々に戦闘への参加を許す。神々はギリシア方、トロイア方に分かれて人間たちの戦闘に介入する。

 アキレウスの復帰は、トロイア軍に恐怖を呼び起こす。トロイア軍は退却するが、ヘクトルはただ一人城外に踏みとどまってアキレウスに向かう。だが、アキレウスの猛々しい姿を間近に目にすると、さすがのヘクトルも恐慌をきたして逃げ出す。ヘクトルは城の周りを三周逃げまわるが、ついにアキレウスと槍を交え、討ち取られる。パトロクロスを殺された怒りに燃えるアキレウスは、ヘクトルの死体に辱めを加えようと、戦車で引きずっていく。城からこれを見たヘクトルの父母は泣き叫ぶ。

 アキレウスの夢にパトロクロスの亡霊が現れ、自分の埋葬を願う。ギリシア軍は葬礼を行う。アキレウスは戦車にヘクトルの屍をつなぎ、パトロクロスの墓の周りを引きずりまわす。ゼウスは、テティスを遣わして、この暴挙をやめるようアキレウスを諌めさせる。
 一方、ヘクトルの老父プリアモスは、ヘルメス神に導かれて、息子の遺体を引き取るためにアキレウスの陣にやって来る。プリアモスの懇願に心を打たれたアキレウスは遺体を返還し、トロイアの城で壮麗な葬儀が行われる。

イーリアス

イーリアス

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