ニートやひきこもりに代表される「リスク回避傾向」とは

3974viewspontaponta

このエントリーをはてなブックマークに追加
リスクに背を向ける日本人 (講談社現代新書)

ニートやひきこもりに代表される「リスク回避傾向」が、実は若者だけでなくて、日本社会全体を特徴づけているというテーマで日本人の学者とアメリカ人の学者の対話形式で論じている。

リスクという視点から日本、アメリカを見たことがあるだろうか?自分はそのようなことはなく、新しい視点で日本を見ることが出来た本だったので是非紹介したい。個人的にはアメリカ人の視点による考え方を見聞でき、また対話形式なので読みやすいこともありがたかった。

◆第一章 日本を覆う「リスク回避傾向」
若者たちの考え方は社会と深く結びついている。一般的にはアメリカ社会の方が日本社会よりリスクが大きいと思われているが、それはむしろ逆である。(日本社会では一旦クビになったら再就職は難しい。しかしアメリカ社会は再就職において日本よりはるかに簡単である。つまり日本にはセカンドチャンスがない。)だから若者がしばしば「リスク回避傾向」を取ってしまう。

◆第二章 はしごを外された若者たち
今の日本では高校生の就職問題が存在する。それに対して制度としてはセカンドチャンスがあることが雇用の安定だと考え、セカンドチャンスがある労働市場を確立する。個人としてはウィークタイムズの強化、対人関係能力の育成などが必要である。

◆第三章 どこで自分を探すのか?
日本がやり直しのきかない社会なのでリスクを取れず、皆外へ出てチャレンジをしようとしない。しかし、アメリカでは人々の移動が新しいやり方や考え方をもたらし社会を活性化させている。

◆第四章 決められない日本人
当たり障りのないことを言うというのは誰かの気に障ることを言って嫌われると困ったことになる社会(=日本の社会)では一番無難であるのでそれが個人の「デフォルト戦略」となっている。これでは日本社会は停滞状態になってしまう。

◆第五章 空気と周りの目
周りの人たちに受け入れられているかどうかを気にする人(=日本人)は、ふつうは協調性の高い人だと思われているが、実際は利己的である。一方、独立心の強い人の方が自分や他人の感情を理解する能力が高く、物事に積極的である。

◆第六章 なぜ日本人は子どもを産まないのか?
アメリカの方が出生率が高い理由の一つとして、家族と同じような愛情をコミュニティーから得ようと思っても無理だから。

◆第七章 グローバル化の意味
グローバル化によって労働と資本のバランスが崩れてしまい、競争を求められる時代になった。アメリカならマーケットがセーフティネットの役割を果たしている、そこで日本の終身雇用制度も変えていく時なのではないだろうか。中途退職者を受け入れない今の企業形態だとオープンマーケットで評価されるような知識や能力ではなく今いる会社の中で出世するのに有利な意識や能力の発展に力を注いでしまう。

◆第八章 女性の能力を生かすには
日本では立派な父親像、母親像が確立されているから女性は仕事か子供かを選ばなくてはいけなくなっている。しかし、実際はそうではなく他の人たちがそうしたイメージを持っていると思い込んでいて、他の人たちから悪く思われないように行動しているのではないか。

◆第九章 ジャパン・アズ・ナンバースリー
日本の企業はグローバルなビジネス文化についてちゃんと理解し、お互いに文化を超えてつきあうやり方を学ばなくてはいけない。

感想

実際に本を読んでみてほしい、日本人各個人が考え方・行動を変えていかなくては日本の社会は変わることが出来ないからだ。

自分がこの本で刺激を受けた部分は
・本当の自分はあるものではなく、外の世界で作っていく。例えば、アルバイトによって自分では気づかなかった能力や可能性に出会えるかもしれない
・率直な意見の交換からは新しい視点が生まれることがあるが遠慮し合ってては生まれない
・コミュニケーションとは、相手が受け取りやすいやり方でボールをなげるようなもの、周りなんて気にしていたら自分の言いたいことに集中できない
・ウィークタイムズでつながってる人からは、自分が知らない情報、新しい機会、可能性を得られる可能性が高い

基本的に日本に否定的でアメリカに肯定的なので一種の危機感も覚えるが、一つの考え方として知っておくことは大変意味のある本だと思えた。

関連まとめ

本のまとめカテゴリー


コメントを書く