「下流」の要因と誕生、「下流化」の進行によるグループ分け

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下流社会 新たな階層集団の出現 (光文社新書)

概要

お金がないことが「下流」ではない。「人生への意欲」がないのが「下流」である。

「下流」の定義

 「下流」とは、経済的に貧しい階層のことをいうのではない。著者は、下流社会に属する人々を次のように定義する。

 「下流」とは単に所得が低いことをいうのではない。コミュニケーション能力、生活能力、働く意欲、学ぶ意欲、消費意欲、つまり総じて人生への意欲が低いことが「下流」なのである。その結果として、所得が上がらず、未婚のままである可能性も高い。

「下流」の要因と誕生

<「下流」の要因>
・年収が年齢の10倍未満
・好きなことだけして暮らしたい
・自分らしく生きたい
・お菓子やファーストフードが好き
・面倒くさがり。出不精
・ひとりでいるのが好き
・地味で目立たないと思う
・自己流のファッション
・ネットやテレビゲームで1日を過ごすことが良くある
・未婚(男33歳以上、女30歳以上)

↓↓↓

<「下流」の誕生>
・所得が低い
・働く意欲、学ぶ意欲が低い
・生活能力が低い
・コミュニケーション能力が低い

↓↓↓

【人生への意欲が低い】

「下流化」の進行によるグループ分け

 このまま下流化が進行すると、男女が複数のグループに分裂していくと著者は指摘する。男性は「仕事か趣味か」という視点と「上昇志向か現状志向か」という視点で分類できる。

<男性の分類>
①ヤングエグゼクティブ系…年収700万〜1500万円の高所得者で出世志向。商社やIT企業勤務が多い。

②ロハス系…比較的高所得だが出世意欲は薄い。スローライフに憧れており、ボランティア活動にも目を向ける。

③SPA!系…雑誌『SPA!』読者である中流〜下流の会社員。ある程度の収入でのんびり暮らすのが理想像。

④フリーター系…「好きなことを仕事にしたい」と、正社員登用を拒む。自由に使えるお金は少ない。

 女性は「上昇志向か現状志向か」という視点と、「職業志向か専業主婦志向か」という視点で分類できる。

<女性の分類>
①お嫁系…上流〜中流の子女で、年収700万円以上の男性との結婚が理想。結婚後はリッチな専業主婦を目指す。

②ミリオネーゼ系…年収500万円程度のキャリアウーマン。上昇志向が強く、結婚しても共働きが多い。

③手に職系…美容師やデザイナーなど、自分らしい仕事を目指す。上昇志向は薄いが、結婚願望はある。

④ギャル系…ケバケバしい外見とは裏腹に専業主婦志向が強い。収入はあまり高くなく、夫もブルーカラーが多い。

⑤普通のOL系:上昇志向は高くないが、すぐに専業主婦になるほど低くもない。①~④に属さない大多数の女性。

 このようなグループ分けは、親の階層に左右される可能性が高い。つまり上流階層に生まれれば、ヤングエクゼクティブブ系やミリオネーゼ系などに分類され、下流階贈に生まれればフリーター系、ギャル系に分類されてしまう。

感想

 親の階層が子どもの将来まで決めてしまう。親が高所得であればあるほど教育費にも余裕が生まれ、その子供も高学歴・高所得になりやすい。これが「階層の固定化」であると著者は指摘しています。
 そこで著者が提唱するのが、「機会悪平等」の考え方です。上流~下流間に存在する格差を、より積極的に是正しようとする仕組みです。例として

・下駄履き入試…大学受験において、低所得の家庭の受験生は合格点を引き下げる。
・東大学費無料化…一流大学の学費を無料にし、下流層にも一流大学進学を促す。
・地方から東京へ進学した人への資金援助…東京での生活費を援助し、東京へ進学しやすくする。

などの解決策を取り上げています。階層問題に焦点を当てた一冊です。
 

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