日本は核兵器をつくれる。核廃絶を掲げながら核の力を求め続けていた日本。

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”核”を求めた日本 被爆国の知られざる真実

「脱原発」や「反原発」を掲げる人、マスコミの偏向報道を批判する人に是非、読んでもらいたい1冊。「日本は核を求めた」という取材結果の重さをじっくり読んでください。

「NHKスペシャル」取材班によるドキメンタリー

偏向報道と言われがちなマスコミですが、丁寧に取材を重ね世に出される記事や番組もあります。この本は、2010年10月3日放送「NHKスペシャル“核”を求めた日本」の取材記です。
※この番組作りの際にはまだ原発事故は起こっていません。

日本は感情的になりやすい

【元外務事務次官の証言】
NPT(核拡散防止条約)に署名するまでの経緯
「日本は自らが被爆国という特殊な状況にあります。広島や長崎の方たちのお気持ちはわからないでもない。しかし、正直に言えば、日本は非常にセンセーショナル(感情的)になりやすい。世間というか国際政治というものは冷酷無残なものですから、広島、長崎の方たちがどう思っているかなんてことは考えていない。40年前につくられたNPTは、核保有の権利をアメリカ、ソビエト(当時)、イギリス、フランス、中国の5大国で作り上げ、その他の全世界をカバーする形で日本とドイツの手を縛れというもので、日本はとても『NO』をは言い出しにくかった。」
外務事務次官を務められた方の言葉です。
国際政治は感情論では語れません。

日本は核兵器をつくれる

【当時、西ドイツ外務省政策部長を動揺させた日本側の発言】
「日本は憲法9条の下、戦力を持たないことになっているため、日本の原子力の平和利用に関する研究とロケット技術の開発に異議を唱えられない。その結果、いつか必要になれば原子力とロケットを結びつけられる。比較的早く核兵器をつくることができる。」
原子力の軍事的利用という考え方、つまりは核兵器を持つということ。
この経緯は是非本書で読んでみてください。
かなり具体的に書いています。

核兵器があっても意味のない世界

【当時、西ドイツ外務省政策部長の証言】
「これからの我々の仕事は、核兵器を持っていてもその意味がないというような国際政治の基本をつくり替えていくほかないです。」
この言葉を日本の元外務事務次官は何年経っても覚えていらっしゃいました。
とても重い言葉だと思います。
果たして、日本はそのような世界をつくることに向かっているのでしょうか。

非核三原則を国際社会に呼びかける一文が削除された理由

1974年12月10日ノーベル平和賞授賞式で佐藤栄作元総理のスピーチから削除された一文がある。

【削除された一文】
「世界の各国が日本にならって非核三原則を採用することはもとより日本国民が心から希求し期待する。」

【削除された理由】
アメリカの「核の傘」への配慮。

西ドイツ外務省政策部長だった方からのメッセージ

「私たちは『核兵器のない世界』に進むべきだと心から思っています。それには相当の時間がかかることはわかっていますし、私が生きているうちは実現しないでしょう。長い道のりですが、最初の一歩を進めなければなりません。私たちはそうするつもりです。」
この言葉が全てです。

感想

この本はマスコミの取材過程の様子や、政治の裏舞台、そして、「核」というものの本質を浮かび上がらせています。原子力の平和的利用や軍事的利用という言葉に隠された意図も理解できるのはないでしょうか。
さらに、佐藤元総理だけでなく、キッシンジャーなども登場してきます。
本書の最後で原爆被爆者の訴えが載っていますので是非読んで欲しいです。

番組のナレーションで使われたというこの言葉がとても印象的でした。
「核廃絶を掲げながら核の力を求め続けていた日本。この矛盾と私たちはどう向き合ってきたのでしょうか。」

今、私たちが直面している原発問題も無関係とはいえないと思います。

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