R・P・ファインマンの伝記的エッセイ集「困ります、ファインマンさん」

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困ります、ファインマンさん (岩波現代文庫)

本書の概要

「事実に対する真摯さ」は、すべてのビジネスマン必読!ノーベル物理学賞受賞者「世界最高の頭脳」の一人とされるR・P・ファインマンの伝記的エッセイ集。

「スペースシャトル・チャレンジャー号の事故調査委員会」での逸話

ファインマンの仕事術

1.完璧なブリーフィング(簡略説明会)を受ける

  とんでもない、簡略どころか世にも真剣でかつハイスピードの
  水も漏らさぬ説明会だった。技術的情報を短時間で能率的に集めるのに
  あれほど有効な方法を僕はほかに知らない。こっちが興味を持ちそうだ
  と思うことを向うが話してくれるのを、ただ聞いているのではなく
  こっちからどしどし質問をするのである。すると打てば響くように
  答が返ってくる。これをやっているうちに、いろいろな状況が
  のみこめてきて、次に必要な情報を得るためにはどんな質問をすれば
  よいかも自ずとわかってくる。この日たったい一日のうちに
  実にすばらしい教育をしてもらった僕は、この情報をまるで
  スポンジみたいに吸いとったのだった

2.現場主義、事実重視

  「そこでNASAの幹部の説明を聞き、ケネディ宇宙センターを
  案内してもらいましょう」
   これを聞いたとたん僕は、ロシアの皇后がポチョムキン村か何かに
  行啓するところを思い浮かべた。つまり何から何までお膳立て通りの訪問だ
  ≪中略≫ そんなことでほんとうのことがわかるものか

  「しかしあっちへ行っても、ただ座ってひたすら向うの説明ばかり聞く
  という方式では、僕は満足がいきませんよ。直接技師たちと話をする方が
  僕としてはずっと能率の良い仕事ができるんですがね」

  作業員の連中から見れば、僕は彼らの扱っている技術的な問題が
  ツーカーで通じる相手に見えるわけだ。工員たちはみるみるくつろいできて
  組立作業で改良できる点などの、いろんな思いつきをしゃべりはじめた

  僕流のやり方とはつまり技師たちに会って、エンジンがどのように動くのか
  どんな危険がひそんでいたのか、今までどんな問題にぶつかって
  きたかなど、洗いざらい聞きだして、僕の頭に情報をしっかり詰め込み
  充分にその理解ができたところで、その失敗の確率が十万に一回だなどと
  抜かした奴と対決することだ

3.真実を求めて

  少しぐらいシールに漏れがあっても、シャトル飛行自体が
  成功に終われば、問題はそれほど深刻ではないと決め込ん

  その部下からまたその部下にあてたメモがあり
  その下にはそのメモを受けとった部下が、またまたその下の者に
  ・・と上から下まで命令系統の順を追ったメモが重なっている。
  そしてついに一番下っ端の哀れな部下が提出した数字の書いてある
  報告書があり、そのまた下にはこの報告の提出を説明する一連の
  提出メモが、今度は命令系統を下から上に順々に送られて重なっていた

  本質的な改善よりも、事務手続きに多くの費用がかかる

  一度作ってしまった巨大なものは、最新の技術を取り入れられず
  時代遅れのモデルを使い続ける

  下の方では現場の技師たちが声を限りに「これは一大事だ!」
  と叫んでいるというのに
  上の方ではお偉方の管理職どもが
  安全性確保の基準をどんどん甘くしているのだ

感想

事故調査の件だけでも、まだまだ書き足らず。
自己を究明していくプロセスは、
映画になりそうなほど、スリリングです。


我々日本人には、忌まわしきマンハッタンプロジェクトに参加した人ですが。


ファインマンの楽しい人柄に関するエピソードは、
『ご冗談でしょう、ファインマンさん』
に詳しい。

また、本書の他の部分は、
妻との思い出「ひとがどう思おうとかまわない」
父との思い出「ものをつきとめることの喜び」
など。

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