「農業は成長産業。」TPP、震災を経た今後の農業戦略を語る。

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日本農業の底力 ~TPPと震災を乗り越える! (新書y)

TPPに関して

TPP交渉参加に関する主要プレーヤーの主張は、
・TPP推進、強い農業作り(経済界)
・TPPには賛否両論、強い農業を作りたい。(農業経営者)
・TPP反対、現状維持(農協)
・農業は維持しながらもTPP参加(その他)
となり、農協のみが強く反対している。しかし「反対して今の農業をどうしようと考えているのかが見えない」

また農水省試算のTPPによる「農業産出額4兆1千億円の減少」について、「わが国の農業は自由貿易交渉を拒否し続けたこの15年間で、すでに3兆円もの縮小を見ている。」と指摘、4兆円はもしTPPに参加しなくても「自然減」する額に等しいと論じている。

農協の米価維持への拘泥を批判し、自由貿易により日本産の輸出という視点を入れるべきだとしている。

国際化の中で保護から、育成へと転換が迫られている。

震災復興

震災復興には公的支援が不可欠である。
また世界の辺境から水産物輸出の中心となったノルウェーの事例を挙げ、サプライチェーンの構築必要性を主張している。
風評被害に対抗するため、農家は情報公開をする必要がある。茨城県の「みずほの村市場」は情報公開を積極的に進め、35%まで落ちたほうれん草の売上を130%まで伸ばすことに成功した。

日本農業の底力

日本の農業産出額は世界5位(国連統計)
「農業は弱いと思い込んでしまったのが最大の弱み」保護に走り輸出産業としなかったことが最大のミスである。
日本の輸出額は27億円で農業算出額の3%に過ぎない。
「わが国では、供給過剰になったら生産調整するのが基本である。・・・マーケティングの発想がない」

農業のビジネス化

日本農業に欠けている「経営」の視点の必要性を本書では繰り返し強調している。農業の今後のビジネスモデルとして海外の様々な成功事例を挙げている。
オランダの農業の情報産業化(農地集積、ITとの融合)
デンマークのニッチ戦略(畜産へのフォーカス)
スイスの観光との融合戦略
フィンランドの生産性追求(林業における環境整備)
ノルウェーのサプライチェーンの構築

最大のリスク要因

それは「政府」である。
方針が右往左往し定まらない。民主党の政権担当能力を疑問視している。

感想

農業は衰退していくという農業に対する固定観念があったが、日本農業はいまだ高いポテンシャルを持っていることを気付かせてくれる一冊。
それを活かすも殺すも、農協と政府なのである。

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