あらゆるものを「価格」の観点から分析する。

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「生き方」の値段―なぜあなたは合理的に選択できないのか?

モノの値段

価格設定のプロセスは決して単純ではない。
「支払い能力があることを示すためだけにどうでもいいようなものに高い金を払うものがいる」
「89セントや79セントのワインも含めて全て99セントの値段をつけたところ良く売れる事に気付いた」
99という数字は安く感じるようだ。

無料の値段

レディオヘッドが新曲を無料ダウンロードも可能な状態でリリースすると、アルバムやコンサートの収益は増加した。しかしこうした手法は一流バンドのみ有効な手段で、違法ダウンロードはマイナーなバンドの収益を奪い活躍のチャンスを奪っている。
違法ダウンロードの是非を巡る議論について本書では「ネット上では泥棒が、ステーキを盗まれるのはいいことだ、と精肉店を説得しようとしている」と皮肉っている。

文化の値段

文化とは「社会で行われるあらゆる習慣、しきたり、集団行動」である。
文化は様々な形で価格に影響する。本書で日本の物価がOECD平均より40%ほど高い理由を政治文化から説明を試みている。
「日本では地方の選挙区は都市と比べて人口が少ない。有権者の力は大きい。・・・地方の政治家は関税障壁を設けることで農家を輸入作物から守ることに重点を置いている。そのコストは、都市部の住民が食べ物に高い金を払わなくてはならないことだ」

また文化は賃金も変化させる。一例として、家政婦が多い国では(ポルトガル)少ない国(ノルウェー)より家政婦の賃金が低くなる。
文化的反感が商取引をゆがめる事もある。アメリカでは馬肉は食用としては違法とされる一方、ペットフード、餌、輸出用では合法である。不快感だけで禁止されるのだ。

宗教の値段

宗教は「保険」であり「社会サービス」である。
信仰し神が実在すれば天国に行けるし、信者の相互扶助という形で様々な便益が得られる。
一方コストとして宗教上の様々な制約に耐える必要がある。
トレードオフではあるものの、経済成長が終われば、多くの人にとって信仰の便益は魅力的になるだろう。

そのほかにも本書では幸福、女性、仕事、未来を価格体系の観点から分析している。

感想

まとめには載せきれないほど多様な事例、引用により様々なものの価格を論じている。
読んでいてなるほどと思わされる解釈も多く、非常に勉強になる一冊だった。

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