原子力で学びたい4つのこと

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原子力損害賠償の法律問題 (KINZAIバリュー叢書)

原子力事故に起因して生じる損害賠償等の法律問題について、主要国の原賠法や原子力法制を中心に解説。2011年8月5日の中間指針で示された損害賠償の基本的構造も解説。

原発再稼働の前提

経産省原子力・安全保安院が決定した実施方法に基づき、電力各社はストレステストを実施していますが、確率論的リスク評価(PRA)の導入は見送られました。※確率論的安全評価(PSA)とも言われています。

原子力で学びたい4つのこと

1. 原子力エネルギーの利用
2. 原子力発電の3つのリスク
3. 確率論的リスク評価
4. 原子力損害賠償法の原則

原子力エネルギーの利用

「原子力エネルギーの利用は、“Better safe than sorry”(リスクを冒して後で後悔するより、安全策をとるべき)とする予防原則に基づく規制の必要性がとりわけ高い技術である。」

原子力発電の3つのリスク

(1)原発事故の影響は国境を超える
(2)核廃棄物処理・処分技術が未確立。いわゆるトイレのないマンション
(3)核拡散、核ジャック、テロの危険性

確率論的リスク評価

原子力施設の破局的事故のリスク分析には、[1]決定論的リスク評価と[2]確率論的リスク評価(PRA)がある。

1]決定論的リスク評価には、事故想定に恣意性が含まれる。具体的には「全電源喪失により炉心溶融といった過酷事故を想定することはリスクの存在を認めることになり、リスク評価の対象外として対策をとられない。」

2]確率論的リスク評価(PRA)

米国原子力規制委員会(NRC)は、PRAに基づく「リスク情報を活用した規制」(RIP)を導入。原子炉毎に詳細なリスク分析→原子炉リスクを相対化。
NRC1975年発表「ラスムッセン報告(WASH-1400)」がもと。

原子力損害賠償法の原則

日本…責任額に上限を設けない無限責任制
ドイツ…無限責任制だが原子力事業に義務づける賠償措置額に上限(25億€)
米国…最大125.9億ドルの有限責任

原子力損害賠償に関する重大論点

福島原子力発電所の事故による損害賠償について、中間指針に基づく具体的に記載しています。
直接被害、間接被害、風評被害など。除染や自主避難による損害など、今、そしてこれから必要な賠償基準や問題点を明記しています。

感想

一口に賠償といってもさまざまな基準があります。しかも福島の事例でどう判断していいかわからないことも多いです。この本は法律的な視点から書かれているので少し読みづらいところもありますが、各国の法律や条約比較、そして、フクイチの事故を事例に挙げていてそれが1冊にまとまっています。あまり書店では見かけないかもしれませんがここから専門書へ読み進めていくことをオススメします。

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