60億人の最底辺に位置する10億人の現状と、そのための打開策とは?

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最底辺の10億人 最も貧しい国々のために本当になすべきことは何か?

最底辺の10億人とはどのような人々なのだろうか?

「平均寿命は他の開発途上国では67歳だが、底辺の10億人の国では50歳に過ぎない。」
「 5歳になる前の幼児死亡率は、開発途上国では4パーセントだが。底辺の10億人の国では14パーセントに達する。」
「慢性的な栄養失調の症状を示す子供は、他の開発途上国では20パーセントなのに対して、底辺の10億人の国では36パーセントである。」

このような最底辺の10億人はアフリカの国々に限らない。本書であえて地理的レッテルで定義するなら「アフリカ+α」としている。それは、

「アフリカに、ハイチ、ボリビア、中央アジア諸国、ラオス、カンボジア、イエメン、ミャンマー、北朝鮮」

のような場所である。
これらの国々は開発・成長が進まない「罠」にとらわれている。本書で定義しているのは、

「紛争の罠・・・内戦・クーデターが平和時の成長を消してしまう。」
「天然資源の罠・・・豊かな資源が、他の分野の輸出力・成長力を削ぐ。」
「内陸国の罠・・・海に面していない国は製品輸出に関して隣国のインフラに依存するため、隣国の政治状況に成長が大きく左右されてしまう。」
「小国における悪いガバナンスの罠・・・劣悪な政策・統治が経済を急速に破壊する。」

最底辺の10億人が暮らす国はこうした罠のいずれかにはまっている。

「 人々の73パーセントは内戦を経験し、29パーセントは天然資源の収入に支配される国に住み、30パーセントは資源に乏しい内陸国で劣悪な近隣諸国に囲まれている。さらに76パーセントは長期にわたる劣悪なガバナンスと経済政策を体験してきた。さらに国の中には同時にあるいは連続して一つ以上の罠にかかる場合がある。」

そしてグローバル化すらこれらの国にとっては逆風となる。
グローバル化は、

「物品の貿易、資本の移動、人間の移動」

というプロセスをたどるが、

「 アジアの輸出産業の集積とそのアジアによる猛烈な資源需要により再び天然資源の輸出依存から抜け出すことが出来なくなる。」

政治腐敗により資本は流出する。

「 私有財産の38パーセントが海外に保有されていた。」

教育を受けスキルを持った人間は海外に移住してしまう。

「これらの国から才能が枯渇することで・・・劣悪な政策とガバナンスの罠から脱出するのをさらに困難にしてしまう。」

本来こういった国を救うための援助も適切になされていない現状がある。
援助の多くは

「 中所得国の方が商業的政治的利益がずっと大きいから」

中所得国に向けられ、効率性を欠く。

これらの国々へのアプローチとして、「援助」「法と憲章」「安全保障」「貿易」によることを本書は提示している。一方これらはうまく機能しないか、めったに使われないことを指摘し、数々の罠の打破には、援助側である国も一定の犠牲を十分に覚悟する必要があると述べている。

感想

豊かな先進国の男性であるというだけで世界の人口の5パーセントに入る豊かさを手に出来ている。という話を耳にしたことがある。
そういう境遇に生まれたものとして今後の振る舞いを考えさせれる一冊であった。

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