国防軍研究局がまとめた原発事故から国民を守る実践マニュアル

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スウェーデンは放射能汚染からどう社会を守っているのか

農業庁の委託、放射線防護庁やスウェーデン農業大学の協力により国防軍研究局がまとめた原発事故から国民を守る実践マニュアル。1997年~2000年「どのように放射能汚染から食料を守るか」プロジェクトの一環

1章1節 チェルノブイリ原発事故から学んだこと

「放射能汚染は長期に渡るため、初期の段階から最良の方法で汚染対策が実践されなければなりません。これが重要な教訓です。」

●外国で起きた原発事故でも被災する
●事前警告が不可欠
●情報の必要性
●迅速に汚染マップを作る
●放射能汚染対策をさらに発展させる
●農業と畜産業には長期的な対策が必要
●備えが肝心

効果的な防災対策の基本

◎万一の場合にきちんと機能する事前警告・警報システムの確立
◎必要とされる汚染対策を迅速に、効果的に実施できる防災組織の構築

1章2節 役割分担と準備体制

汚染対策を講じるために必要な知識

・直接農作物に付着して場合の影響
・降下間もない植物に雨や風で減少した付着量
・農作物の種類と土壌の特性による根からの吸収量の差異
・食物連鎖での放射性物質の移行
・汚染対策の費用と効果

「一般市民が必要とする情報をきちんと提供するには、放射性物質の知識があることが前提」

2章7節 放射性降下物の特徴

降下がはじまる前の3つの不確実性

①いつ到着し、どれだけ汚染されるのか。
②下降物がどんな放射性物質を含んでいるのか。
③放射性物質の放出期間。

3章9節 食品への放射性物質の移行

牧草→牛→牛乳→人の食物連鎖や飼料→豚→肉→人の食物連鎖におけるセシウム137の移行など具体的に説明。

移行係数

放射性物質が食物連鎖の移行度合いを表した移行係数
飼料→牛乳、土壌→農作物などを数式が存在します。

一般的な目安

牛乳、牛肉、野菜など対策の基準となる割合。
ヨウ素131、セシウム137、ストロンチウム90の割合がなど紹介されています。

3章11節 心理的・社会的影響、労働環境への影響、経済的問題

「事故直後の危機的な檀家が過ぎ去った後でも、行政機関が放射能汚染や被ばく線量の測定を続け、その結果を公表することは心理的によい効果をもたらすこともあります。同様に被害の少なかった地域でも測定をきちんと行なうことは、人びとの心理にとって意味があります。」

4章 基準と対策 食品からの内部被ばくを防ぐ有効な方法

チェルノブイリ原発事故後、スウェーデンの乳製品メーカーは国が定めた牛乳に含まれる放射性物質の濃度よりもはるかに低い基準を自主的に設けた。
農作物、畜産、食品加工、さらには家庭における汚染対策を具体的に紹介。

対策を選ぶときに考慮すべき重要な要素

一般的は対策は現行法に反しないもの。
柔軟な行動があとで制約されるような対策は選択すべきではない。

感想

この本を手にとったきっかけは「チェルノブイリ」ではない「スウェーデン」からの視点というのが気になったからです。

読んで驚いたのは、放射能汚染に有効な策がはっきり書いてあること。

また、具体的な数値や割合を上げ、消費者、生産者それぞれの立場に立って書かれています。

さらに、心理的影響にも触れている点はチェルノブイリ原発事故の経験があったからこそです。

飲料水→人の食物連鎖の項目は、スウェーデンは地下水で「放射性物質が土壌粒子に固着し。生物学的な作用によりそのまま留まることにより、水は浄化される。このため、消費者のもとに届く水は汚染されていないものとみなしてよい。」という記述には少し驚きましたが、逆に河川の深さのあまりない水源は放射性下降物に含まれている放射性物質の分析が重要だと日本に当てはまるような記述もあり、大変参考になりました。

汚染地域の農家と生活者、食品汚染に関心のある人にオススメの一冊。

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