「科学技術」の振興を提唱する本「科学技術は日本を救うのか」の書評・感想

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科学技術は日本を救うのか (DIS+COVERサイエンス)

世界でも有数の「科学技術立国」であるが、その裏では「事業仕分け」だけではなく数多くの課題が残されている。本書は日本を救うための一つとして「科学技術」の振興を提唱している。

第1章「世界トップクラスを走る日本の科学技術」

科学技術は世界最先端だと著者は主張している。科学技術の推進のために1995年に「科学技術基本法」が制定され、政府主導の本で数多くの研究開発が行われてきた。しかし科学技術を推進してもアメリカや中国の科学技術推進はその上を行っており、今にも追いつかれるほどである。最近では「iPS細胞」も脚光を浴び、さらにサイエンスの基礎研究でも論文被引用や数多くの賞を受賞している人もいるという。

第2章「日本経済長期停滞の真相を探る」

それとは裏腹に日本経済は衰退の一途をたどっている。「失われた10年」ないし「失われた15年」から脱し、「戦後最長の好景気」と呼ばれていても、「格差」が浮き彫りとなり、技術革新も空回りが続いてしまい、気がついてみたら900兆円近い借金まみれ。政権交代後には世界一を誇っていた科学技術振興にも「事業仕分け」のメスが入れられた。
技術や科学の革新の著しい分野にさえ「閉塞感」をもたらしてしまったのか。
本章は科学と言うよりもむしろ「経済の構造」についてフォーカスをしている。

第3章「「第4の価値」が若者に夢を与える」

「第4の価値」を言う前に、ここでは「第1〜3の価値」について簡単に述べると、「食糧・モノ・サービス」である。形はあるなし問わず、一方的な享受で満足できるものがほとんどである。食糧の満足が主だったのが明治・大正時代とすると、モノの満足は昭和、そしてサービスの満足は平成と分けることができる。しかし時代の流れは年を追うごとに速くなっていく。もう私たちの世代ではこの3つの価値に満足をすることができなくなった。「第4の価値」を見いだし、「第4次産業」を創出することを著者は提唱している。例を挙げるとすると、

・安全な国
・礼儀正しい文化
・格差の少ない国
・平和志向
・環境に優しい国

などがある。このうち、上の2つはすでにそうなっている。3つ目はおそらく国家思想を織り交ぜてしまうと賛否両論が起りやすくなる。格差があってこそ資本主義という形ができており、格差が少なく、国主導で財政政策を行っていると言うことを見てみるとソ連最後の最高指導者であったミハイル・ゴルバチョフは書記長になる以前から「日本は最も成功した社会主義国家」と主張していたように、あたかも社会主義国家を提唱することになりかねなくなる。

第4章「科学技術による「地球防衛隊」構想」

私たち、若者たちへの提言に関することであるが、それ以上に「超伝導」という言葉が目立った。最近ではリニアモーターカーの開発も著しく、それ以外の分野でも超伝導が注目されて始めてきている。

感想

先進国の中でも日本は科学技術の推進に積極的である。しかし、もうその背後にはアメリカや中国、ロシアがひたひたと追いかけてきている。日本の科学技術の優位性、未来、そして私たち若者に託されたことが詰まった一冊であった。

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