デザイナーでなくても知っておきたい、日常の場ですぐに活かせる「デザインの基本」を学べる本。
この本の前提とねらい
「知は力なり」=問題を言葉にできさえすれば、解決策を見つけることができる
人はデザインの悪さを感じることはできても、直す方法を知らない
⇒コンセプトを認識すれば、意識できる。良くない点に気付き、直せる。
4つの基本原則
上手なデザインに共通する基本原則
●コントラスト(Contrast)
●反復(Repetition)
●整列(Alignment)
●近接(Proximity)
近接(Proximity)
「近接=関係があること」
「関連する項目をまとめてグループ化する」
・近接の基本目的:組織化
・実現方法:目を細めてページを眺め、視線が止まった数を数える
(3~5個くらいまでが目処)
整列(Alignment)
「ページ上のすべてのものを意識的に配置しなければならない」
「すべての項目がページ上のなにかほかのものと視覚的につながりを持つ」
・整列の基本目的:一体化と組織化
・実現方法:意識的に要素を配置。
・「強い線」を見つける
・中央揃えを使うなら、意識的・ダイナミックに
反復(Repetition)
「デザイン上のなにかの特徴を作品全体を通して繰り返す」
・反復の基本目的:一体化と、視覚的なおもしろさを加えること
・実現方法:すでに存在する一貫性を、もう少し推し進める
コントラスト
「2つの項目が正確に同じでないのなら、はっきりと異ならせる」
「臆病にならない」
・コントラストの基本目的:ページにおもしろみを作り出し、情報の組織化を支援
・実現方法:書体、線の太さ、色、形、サイズ、空きなどでつくる。
・大切なのは、強調すること
カラーを使う
●色と色の関係●
・補色(カラー・ホイールで真向いの位置にある色同士、黄色と紫など)
・トライアド(等しい距離にある3つの色の組み合わせ。赤×黄色×青など)
※スプリット・コンプリメント・トライアド
補色を見つけ、「補色の両隣の色」を選ぶ⇒洗練された雰囲気
・類似色(ホイール上の隣り合う色から)
●色のバリエーション●
・純粋な色:ヒュー
・ヒュー+黒:シェード
・ヒュー+白:チント
●その他、色に関して●
・トーンに注意。近すぎると見えにくい
・寒色は背景に引っこみ、暖色は前面に出てくる
活字について
●活字の関係性●
・協調関係:スタイル・サイズ・太さなどのバリエーションがあまり多くない1種類の書体ファミリーのみを使った場合
⇒調和保てる、落ち着き、格式ある雰囲気、ときにはただ退屈
・衝突関係:スタイル・サイズ・太さなどが似ている書体を組み合わせた場合
⇒避けるべき!(類似性=混乱を招く、同じでもなく、違っているわけでもないので衝突)
・コントラスト関係:互いにはっきりと異なる書体や要素を組み合わせた場合
⇒強調、注意を引き付ける
レポート・ポスター・名刺など、身近なものにもすぐに活かせるのが良かったです。
デザインという分野だけあって、さすがに文字で表せないことが多いですが、
一度読めば分かります。誰にとっても分かりやすい本です。
ただ、そこで学んだことを「活かせるように」、しっかりと頭の中に入れておく作業は
必要です。
また、フォントに関しては、翻訳本なので、英語のフォントについてひたすら書かれています。日本語のフォントについてもあればさらに嬉しいですが、翻訳本なので。。