アイデアを生み出す視点と心構え。「アイデアを盗む技術」とは

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アイデアを盗む技術 (幻冬舎新書)

概要

アイデアを生み出す視点や心構えを、放送作家が指南する。

視線のスイッチを変える技術

■アイデアの素材を集める基本は、まず“よく見る”こと。そして「おもしろい」と感じた物事をストックしていく。自分がなぜおもしろいと思ったのかを普段から意識化しておくと、探しやすくなる。

■人と違う受け止め方・感じ方というのは、れっきとした個性。自分だけが気づいたおもしろさは、他の人に「へえ、そう感じるのか」と興味をもってもらえる。最初は自己満足でいい。街や旅先で、自分だけの基準で「おもしろい」を探そう。

■視点をずらしてみると印象が変わる。例えば、料理を頼んでも頼んでも店員に「品切れです」と言われたら、当事者は怒るだろうが遠くで見ていればおもしろい。「人生はクローズアップすると悲劇だが、ロングショットでは喜劇」とはチャップリンの言葉。

■日記形式のメモをつけてみよう。アイデアを見つける習慣がつくほか、自分が何ををおもしろがるのか、後で分析ができる。傾向を踏まえて「おもしろいを検出するアンテナ」を自分の中で作ろう。アンテナが多ければ多いほどアイデアは増えていく。

感情の動きを取り出す技術

■感情が湧き上がるのは、何かに「心動かされた」証拠。だからその原因を可視化すれば、何かアイデアにたどり着くはずだ。マイナスの感情ですらその源になる。

■気が利かない店員の対応など不快なことが起きたら、なぜそう思ったのか原因を洗い出し、改善策を推理小説のように考える癖をつけよう。実際に解消した具体例があればどんどんストックしていくといい。改善策はアイデアの参考になる。

■いいコミュニケーションには「フリ・ウケ・フォロー」の三要素がそろっている。サービスや情報の提供とそのリアクション(フリ・ウケ)に続く「フォロー」があるかないかで、相手に与える感情が大きく変わる。一般的に、対応のいい店員はフォローがうまい。

■簡単に納得しない“疑問力”を身につける。「トイレの水洗センサーが反応しない」「ビルが解体されていた」という些細な出来事も「手のひらの質感によってセンサーの反応は変わる?」「ビルはどうやって壊す?」などネタに変わっていくのだ。

■差異や細部からも疑問を作り出せる。例えば食品の原材料表示など、よく見るといろいろ知らないことがでてくるはず。違和感も“おもしろい”出来事のひとつ。白いイチゴなど、何か引っかかるものは人の心を惹きつける。

他人の視点を利用する技術

■自分のなかの“おもしろい”が飽和してつまらなくなったら、他人がおもしろがることを借りてみよう。自分にはなかった発想法が手に入る。

■番組の会議はさまざまな視点の宝庫。放送作家やディレクターなど立場によって見方がまったく違うので、おもしろい着眼点があればどんどん取り入れる。異業種の話も、自分の引き出しにない視点を取り入れるチャンスだ。クリエイターに限らず店員やタクシーの運転手、専業主婦も立派な異業種。参考になるはず。

■電車やカフェなどで、自分の価値観とは違うなと思った会話や光景をとりあえず覚えておこう。自分の中から出てこない発想だから、いつかアイデアの素材になる。家族もある意味他人。注意深く言動を気にしていれば自分と違う視点を見つけられる。

■“モノ”の気持ちになって考えてみよう。日本一の自動車整備士は「車が壊れるのは人が乗るから」が持論。視点をモノ中心に変えてこそ、見えない世界が見えてくる。

テレビの発想を盗む技術

■バラエティ番組はビジネスのヒントがいっぱい。同じ情報でも見せ方を「工夫する」ことで、伝わるパワーがまったく違う。その工夫・仕掛けが参考になる。

(1)グルーピング/好例は「アメトーク」。ある共通点で集団を作るとインパクトが強まる。対比や共鳴(会話が弾む)の効果で盛り上がりやすい。

(2)新しいフレーム/「〇分間で理解する」「評価する」という旧来の要素を組み合わせ「1分間の深イイ話」という新しいフレームに。平凡なネタも新鮮に見える。

(3)宝探しの快感/「行列ラーメン00連発」のようなカタログ的企画も「1日で行列ラーメンいくつ探せるか」のように、探す過程や推理を見せれば飽きない。

(4)定番プロット/「本当は怖い家庭の医学」ではホラー映画の定番プロット「来るか、来るか…来ない」のパターンを利用。主人公が発症するまでに不安を増幅させる。

(5)他者というフィルター/企画者とは別の視点で見る人を入れる。見飽きた絶景や動物などは、子供を連れて行くと新鮮な反応をするため再発見につながる。

(6)ハードルを下げる/「ダーツの旅」が好例。企画者の選択ではなく偶然で旅先を決めるため期待値が低下。何にもない街をぶらぶらするだけで楽しく見える。

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