iモードを成功させた夏野剛が教える! 日本でのウェブビジネスを成功させる鉄則

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概要

iモードを成功させた著者が、ウェブを活用できない企業に対し問題指摘と改善の提言を。

なぜ日本のウェブビジネスは儲からないのか

ウェブビジネスがうまくいかないのは、ウェブの本質を理解しない企業(経営者)の誤解によるものだ。「みんなやっているから」と安易にウェブを始めた企業はみな失敗している。

■ありがちなのは「ウェブは新しいツールだから、“何か新しいこと”ができるはず」として新規事業を起こし失敗するケース。ウェブは、今すでにやっている事業や強みをより強化するツールだ。新たな収益を約束する魔法の道具ではない。まず、リアルで行っている事業の延長から始めよ。

■ユーザー意識の欠如も問題だ。たとえば、個人情報を登録しないと商品を買えないサイトが象徴的。自分がユーザーの立場だったら面倒で不快だろう。また、コンテンツの配置がよく分からないサイトも多い。リアル店舗で商品配置が分かりにくかったら困るではないか。リアルとウェブは同じと考えよ。

■企業トップの認識も重要だ。ウェブがリアルの売上げを食ってしまうと恐れる古い経営者。既存のビジネスモデル崩壊を恐れるから、ウェブを使いこなせない。ウェブはビジネスの範囲を広げてくれるものであって、ビジネスそのものは変わらないのだ。

ウェブビジネスを成功させる鉄則

■ネットビジネスではまずクリティカルマス(普及率が一定レベルを超えると、認知度や収益率が劇的に上がること)へ達するのが重要だ。Yahooが典型。金も情報もどんどん集まってくる。追い抜くには、googleの検索ロジックのように新しい価値を提示しなければならない。

■ウェブは参入障壁が低いので、常に走り続けなければすぐ追い抜かれる。だから、得意でない新規分野に手を出してもムダだ。興味がないことは長くは続かないので、結局抜かれる。平凡だが、自社のアドバンテージを分析し、身の丈に合った「できること」をするのが一番なのだ。

■ネットビジネスの中ではEコマースが圧倒的に伸びる余地がある。とにかく便利なので、現在ネット販売していないジャンルも次々シフトするだろう。宝飾品など対面販売が必要な商品は向かないが、消耗品などはネット販売に向く。自社がEコマースに向いていると思えば参入したらいい。

■ウェブを成り立たせるモデルとして、課金型と広告型がある。広告による無料モデルが注目されるが、サービスの質と金額設定が適切ならば、iモードのように課金モデルも十分成り立つ。ただ、課金の場合は、値付けを間違えるとユーザーに見捨てられるので注意。

ウェブビジネスの未来

■ネット広告はターゲットに的確にリーチする有効な手段である。にもかかわらず旧来の企業がなかなか出稿しないのは、効果測定が明確すぎて結果が一目瞭然になるのが怖いのだ。とくに効果がない場合、戦略変更を迫られ対応が面倒になる。こんな弱気な態度では前に進まない。

■未来の広告は、より個人へのカスタマイズが進むだろう。著者は、SF映画「マイノリティ・リポート」のように、生体認証で個人を特定し、街を歩けばその人に合った広告がどんどん飛んでくるようなシーンをイメージしている。今後が楽しみだ。

■ポテンシャルを秘めているのが電子マネー市場。顧客情報のマーケティングができるほか、例えばANAのマイレージをEdyに替えてタクシー代を払うなどバーチャル・リアルを越えた使い方ができるのが画期的だ。「まだ使ってない人が多い」などと言い訳せず、積極的に新しい試みをしていくべき。

■テレビ局や新聞社は優秀なコンテンツ制作能力を持つのに、ウェブを敵視して有効活用していない。非常にもったいないことだ。テレビ局には、タイムシフト視聴のニーズをすくい、見逃した番組を後から見られる無料オンデマンド配信の実施を提案する。

旧来型日本企業への提言

■ポリシーもなく「WEBで“何か新しいこと”をやろう」と考えても失敗する。合議制で方針を決めようとするのも間違い。日本では、話し合った上で誰もが納得する答えをまとめようとしがちだが、これではスピードが出ない。ウェブの新規事業は、リーダー1人の感性に賭けてどんどん進めるのが正解だ。

■いままでさんざん企業を批判してきたが、実は日本の人材のレベルは高い。経済力もある。ただ、リーダーが悪いためポテンシャルを生かしきれていないだけだ。ITを理解できない経営者は不要。その問題をクリアすれば、日本はもっと世界をリードできるはず。

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