新しい気づきをくれる戦後経済史本「戦後日本経済史」の目次・書評

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戦後日本経済史 (新潮選書)

はじめに
第1章 焦土からの復興
1 8月15日に大忙しだった男たち
2 インフレで定まった戦後社会の基本形
3 戦時改革が戦後の零細土地保有をもたらした
4 中途半端に終わった占領軍の経済改革
5 日本のことを何も知らなかったアメリカ人
第2章 高度成長の基盤を作る
1 ドッジとシャウプの改革は本当は誰が考えたものか
2 一萬田尚登はなぜ法皇になりえたか
3 造船疑獄に見る金融統制と政治の深い関係
4 高度成長へと舵を取る
5 戦時革新官僚の夢が戦後の通産省で実現する
第3章 高度成長
1 戦時体制が本格的活動を開始する
2 戦時制度によって可能となった労使協調
3 国際化で戦時体制が変質し始める
4 公共事業の時代が始まる
5 大きな後遺症を残した証券危機
第4章 国際的地位の向上
1 世界で最も効率的な社会主義経済
2 アメリカから見た日本
3 マンションを買うのが日本男子の夢?
4 開闢以来のバラマキが日本の財政を破壊した
第5章 石油ショック
1 突然のショックが日本を襲う
2 戦時経済体制を強化した石油ショック
3 石油ショックがなかったなら?
4 相対化した視点で日本を見る
第6章 バブル
1 バブル時代が始まる
2 土地バブル
3 「日本の株価が高すぎるという人は頑迷な懐疑論者だ」
4 無視された警告
5 戦時体制の維持がバブルの基本原因
6 土地本位制は戦時体制の産物
第7章 バブル崩壊
1 バブル崩壊の始まり
2 企業不祥事がつぎつぎに発覚
3 大蔵省スキャンダル
4 総会屋への利益供与事件
第8章 金融危機
1 山一崩壊(1)
2 山一崩壊(2)
3 長銀破綻(1)
4 長銀破綻(2)
5 結局、日本の銀行は変わらなかった
6 バブルの総決算
第9章 未来に向けて
1 真の戦後体制は確立されていない
2 史上かつてない平等社会
3 歴史主義の貧困
4 開戦直前の過激思想がいまの財界標準
5 日本はどこに向かうのか

付録1 戦時経済体制(1940年体制)とは何か
付録2 戦後経済史年表(1999年まで)
付録3 戦後歴代総理大臣・大蔵(財務)大臣・日本銀行総裁一覧

感想

「戦後経済は何が間違っていたのか」という問いに対する答えが明確に打ち出された数少ない書籍。これに対する大方の答えは、バブルだとかオイルショックだとか、劇的な変化を解とするものが多い中、野口氏は明確に「戦時体制からの問題だ」と答えている。これまでに戦後経済問題を戦時下まで遡って解いた学者はいたのだろうか?読めば読むほど、いかに戦時下のマイナスを引きずっていたのかがわかる。経済用語や専門用語が多いが解説がしっかりされているので、初心者でも深い理解が可能な点も本書の良いところ。

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