情報操作に惑わされるな! 「メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学」

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メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書)

◎基準の250倍もの残留濃度の冷凍ホウレンソウを1回、100グラムも食べたとしても、1日摂取許容量の半分にしかならない。
厚労省は当初から「直ちに健康への影響はない」と見解を出しているが、どの程度食べるかという量を勘案せず「危ない」と伝えている新聞がある。

◎「この作物の農薬残留濃度は0.01ppm」と言われるのと「1万ppt」と言われるのとでは、印象が全く異なる。
単位を変えることで、量を多く見せる報道関係者や市民運動家。

■レイチェル・カーソン

出版された当時から、科学的な過ちが指摘されていた。
40年たち、科学も進歩したのだから、カーソンが考えた通りにならないことも増えて当たり前だが、そのことが日本では表面化しない。
日本では、科学に関する話題全般を、高く評価すべき点と誤った点を整理しトータルで判断する、ということが行われにくい。

◎喫煙者3万人を対象とした調査で、βカロテンのサプリを1日20mmg投与された人たちは、肺癌の発生率が投与されなかった人たちの1.18倍になった。
現在では多くの国で喫煙者に対して、大量摂取するのを控えるよう指導している。

◎マスメディアは「危険ですよ」「要注意ですよ」と警鐘を打ち鳴らす。
ごく一部の人にしか当てはまらなくとも、センセーショナルな話を前面に出す。
後に誤っていたことがわかっても、「警鐘を鳴らしたのだから」と免罪され、「悪いニュース」=「良いニュース」だけが増幅。

◎多面的な性質を持つものの中からたった一つの弱点を取上げて報じても「危ない」報道として成立する。
一方、「危なくない」を伝えるためには、様々な角度から検討し、「大丈夫」「次も大丈夫」と証拠を積み上げていかなければならない。

◎欧米で安全性が高い添加物と見なされている保存料「ソルビン酸」の使用割合が日本では非常に低い。
保存料と名前がついているだけで日本人は忌み嫌い、同じく合成品のグリシンや酢酸ナトリウムは保存料という名前がつかないだけで歓迎する。

◎消費者に嫌われ、合成着色料を天然色素に切り換えるメーカーが増えている。
天然色素は高いうえに着色効果が低く、量も多く使わなければならない。
海外メーカー製の色素では、アレルギー発症等のトラブルが、数年に1回程度起きている。

ほとんどの研究者が合成着色料の方が安全だ、と断言する。しかし、添加物メーカーにしてみれば、高い天然色素を使ってもらう方が販売量も儲けも格段に増える。
食品メーカーや流通業者が添加物バッシングに踊らされる程、安全性は下がり添加物メーカーは儲かる。

◎食品添加物を全く使わない食品を作ることは可能だが、保存性が下がったり品質劣化が早かったり、という不便さを強いられる。
そうした不便さがないのに無添加をうたう商品は、どこかごまかしがある。

◎有機・無農薬野菜の方が安全だ、という前提のもとに記事が成り立っている。
残留農薬がないにしても、作物内で有害な物質ができている可能性がある。ストレスに対して自ら防御物質を作り、身を守るからだ。

◎農薬が適切に使われていれば、作物は農薬に守られて病気にならず、体内で天然の薬を作る必要もなく成長する。残留基準を超えることもない。
最近の農薬は分解性が高くなっているので、人の口に入る頃には残留量は少なくなっているだろう。

◎有機農産物や無農薬栽培の野菜の中にどれだけ天然の薬が蓄積しているか、誰も調べたわけではない。
また、カビなど微生物汚染という懸念もある。有機農産物の大腸菌汚染率は9.7%、慣行農産物は1.6%。

◎英国では、政府機関が2003年に
「有機食品が通常に比べて、より安全とかより栄養があるという証拠は、現時点ではない」
と、そのような広告を禁じた。

◎博士は講演で、「遺伝子組みかえ食品を食べたら、がんやアレルギーを引き起こす」と繰り返した。
数人は博士に質問し始めたが、博士は「飛行機に間に合わない」と応じなかった。

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