スポーツアナリストが選ぶ! 日本プロ野球史上の最強のベストナイン

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プロ野球 最強のベストナイン (PHP新書)

概要

スポーツアナリストの著者が、詳細なデータを元に日本プロ野球史上のベストナインを選ぶ。

1~3番打者

■1番打者の仕事は出塁して得点(生還)すること。これを基準にすると有力候補は福本豊とイチロー。出塁率+生還率(OPR)は福本が.813で1位。福本を最強1番に推したい。イチローも捨てがたいが盗塁企図数が少なく、生還率が福本に比べ物足りない。

■2番打者は多様な役割があるため、総合力を見るべく犠打・盗塁・塁打・四死球の合計で判定する。10試合当たりの平均は1位が千葉茂で、以下蓑田、井端。千葉の通算打率は.284と優秀。1試合当たりの守備機会も1位と守備範囲が広い。千葉を最強2番に認定する。

■3番打者の有力候補は王貞治、バース、ペタジーニら。3番は初回必ず打順が回ってくるため、1・2番を返す長打力のほか出塁率も要求される。そこで出塁率+長打率(OPS)でみると、通算1位は王。とくに四球が多いため、出塁率は通算で.446と驚異的。史上最多9回のMVP、巨人全盛期を牽引した実力も素晴らしい。

4~7番打者

■4番打者に要求されるのはとにかく打点を稼ぐこと。古くは川上哲治、大下弘、長嶋茂雄、藤村富美男、最近では落合博満やブライアントなどそうそうたるメンバーが揃うが、最強4番は藤村だ。1949・50年の年間142、146打点は強烈。飛ぶボールが採用された年だからとの見方もあるが、ほかの有力打者は同時期数字を伸ばしていない。藤村の勝負強さが傑出していた。

■5番打者は勝負強さが指標。過去の日本シリーズでは4番より5番の差が明暗を分けている。ここでは打撃専任の指名打者から選考したい。門田博光、デストラーデ、ローズやマニエルあたりが候補。総合的にみると、本塁打率で3位、10試合当たり打点で4位のマニエルが最強5番にふさわしい。ヤクルト、近鉄の両チームで初優勝に貢献。

■6、7番は余った外野手の中から出塁率の高い外野手、長打のある外野手と分けて選ぶ。出塁率は張本勲、松井秀喜、イチローがBEST3。OPSや守備力などを分析すると張本とイチローが互角。6番は先発が出塁率の高い張本、後半守備固めと勝負強さでイチローという布陣を推す。となると7番は長打のある外野手。最盛期5年間で比較した長打率で1位の山本浩二がふさわしい。広島黄金期の精神的支柱でもあった。

8~9番打者

■8番はキャッチャー。野村克也、田淵幸一、古田敦也らがいるがOPSは田淵、打点は野村に軍配。そのなかでも打点が優秀な野村をベストの8番に据えたい。クイック投法の指導も功績大。

■9番は残ったショートから選考。幅広いタレントがそろうポジションのため、ここは塁打・四死球・犠打・犠飛・盗塁の合計と守備機会などで総合的に比較。走攻守すべてハイレベルな松井稼頭央に決定。

投手

■1リーグ時代では、通算100勝以上の中から最盛期5年間の防御率1.05(1位)のスタルヒンを推す。史上初の300勝投手。この時代は沢村栄治、景浦将など戦死した好投手が多く惜しまれる。

■50年代は唯一防御率1点台の稲尾和久ほか、400勝の金田正一、フォークの元祖・杉下茂など。そのなかで、新人時代から西鉄を支え、巧みな配球・駆け引きで年間42勝を挙げた稲尾を最強に選ぶ。

■60年代の防御率ランキングは村山実、皆川睦雄、権藤正利の順。村山は通算防御率が優秀で沢村賞も3度。長嶋に真っ向勝負を挑み、プロ野球を盛り上げた。皆川とは僅差ながら60年代最強に。

■70年代は巨人独走から群雄割拠の時代へ。防御率ランキングは江夏豊、鈴木啓示、村田兆治、山田久志、足立光宏の順だ。三振が取れ、ストッパーの先駆けとなった江夏をここでは選びたい。

■80年代は西武の黄金時代。だがそのエース・工藤公康は印象ほど数字が抜群ではない。同年代の防御率ランキングは大野豊、江川卓、川口和久の順。江川も捨てがたいが、被本塁打率が低く安定感で上回る大野がベスト。

■90年代は打高投低の中、唯一防御率2点台の斎藤雅樹が有力だ。以下工藤、佐々岡真司とつづくが、2年連続20勝・最多勝5度・沢村賞3回の斎藤が圧倒的な数字で、最強に異論はない。

■2000年代は上原浩治、川上憲伸、松坂大輔が防御率ベスト3(1000投球回以上)。ただし800投球回以上に対象を広げるとダルビッシュ有の防御率2.20、勝率.724は傑出した数字。3年連続防御率1点台のダルビッシュを選ぶ。

■守護神には、最盛期5年間の防御率上位から藤川球児、佐々木主浩、岩瀬仁紀を選出。いずれも実績はもちろん決め球が強烈。最強中継ぎとしては、タフかつ被本塁打が少ない久保田智之を。

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