世の中に役立つ「いい人間」になりたい。そんな物の見方ができるようになる道徳教育本「君たちはどう生きるか」

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君たちはどう生きるか (ポプラポケット文庫 日本の名作)

 中学生の本田潤一(コペル君)が、様々な経験を通して抱いた疑問や悩みを、近所に住む実の伯父さんと共に解決してゆく。例えるなら、「金八先生」をより純粋無垢にしたような物語。池上彰が、人生を変えた一冊として挙げている。

コペル君とは?

 コペル君という変なアダ名は、あの地動説を発見したコペルニクスの名を略したものだが、これには深い意味がある。
 コペル君(潤一君)はある日、ビルの上から地上を歩く人の流れを見てある発見をする。人間も、自分が中心の天動説的な関係ではなくて「地動説」と同じなんだいうことに気づく。中学生の頃そんなことは考えなかったな。
 確かにそうだけど、大人になっても自己中心的な考え方(天動説)から抜けきっていない人だって多い。そんな人の眼には、世の中の本当の真理は映らないんだよ。と伯父さんが補足する。

 昔は誰もが天動説を信じていた。地動説を発見し唱えたコペルニクスは、教会の教えに反するとして迫害を受けるが、それでも命がけで真実を主張した。
 常識を疑い真実を発見し、正しいことを正しいと言い続けたコペルニクスは偉大だ。 
 伯父さんは、潤一君が地動説的な物の見方に気がついたことを忘れないように、コペル君というアダ名を付けた。
 以上のことが第1章に書かれている。

経験と思想

 ある時、ある所で、ある感動を受けたという、繰り返すことのない、ただ一度の経験の中に、その時だけにとどまらない意味のあることがわかってくる。それが、本当の君の思想というものだ。(伯父さんのノートより)
 コペル君は日常のありふれた経験の中から、大切なものを学んでゆく。
 主なテーマは下記の通り。
◆ものの見方について
◆真実の経験について
◆人間の結びつきについて
◆人間であるからには
◆偉大な人間とはどんな人か
 など

苦しみの大切さ

 出来の良いコペル君だが、すべてが順風満帆には運ばない。
 ある日、仲間が先輩にイジメられている場面に出くわすが、勇気がなく知らんぷりをしてしまう。友達を裏切ってしまったことで思い悩み、学校に行くのが嫌になる。
 ここでも伯父さんが完璧な解決策を示してくれる。そして「悲しみや苦しみの大切さ」を知ることになる。
 

感想

 この本が書かれたのは1937年・日中戦争の頃。せめて次の世代に夢を託したいという思いから、当時の中学生向けに書かれたもの。純粋すぎて今の中学生には抵抗感があるかもしれないが、大人が読んでも十分に心が洗われる。もっと早く、できるだけ若い頃に読んでおきたかった。

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