共同幻想論を考える

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共同幻想論 (角川文庫ソフィア)

共同幻想 := 個体としての人間の心的な世界と、心的な世界がつくりだした以外のすべての観念世界

禁制論

民族譚をかんがえるとき重要なこと=幻想の共同性として了解する

山人譚;村落共同体から離れたものは恐ろしいめにあい不幸になる=恐怖の共同性

語り手の空想癖+共同的な幻想=伝承

憑人論

憑人;個体をおとずれる幻想性が、共同の幻想と分離→特定の家筋や個人に憑く

巫覡論

共同幻想の象徴(e.g. キツネ)が男女どちらに憑かれるかは重要
∵「対幻想」の基盤である家族と村落共同体との関わりを暗示

対幻想の共同性の象徴⇒e.g. 女
共同体の共同幻想の象徴⇒e.g. キツネ・ヘビ・神

巫女論

巫女 := 共同幻想をじぶんの対なる幻想の対象(=性的な対象)にできるもの

女性 := ∀他者(男性/ほかの女性)を排除→性的対象を自己幻想 or 共同幻想にえらぶもの

神 := 自己幻想 or 共同幻想の象徴
恍惚=成熟した対幻想に固有のもの
⇒巫女が神懸かりになるときつかう神体=陽神 or 陰陽二神の象徴(∵性的な対幻想)

シャーマン=自己幻想が共同幻想に同化することで、共同体の共同利害を心的に構成できる能力

他界論

死の心的基底=人間の”自己幻想 or 対幻想”が極限のかたちで共同幻想に浸蝕された状態

作為された自己幻想として個体に関係づけられた死
⇒作為された対幻想として対幻想に関係づけられた死→「他界」概念が発生

農耕民を主とする村落共同体の共同幻想にとっての「他界」観念=空間的・時間的に二重化(埋め墓・詣で墓)

祭儀論

心的な生誕=共同幻想から此岸へ投げだされた自己幻想

初期の農耕社会の共同幻想にとって重要なこと=女性だけが子を分娩する

母制論

母系性社会 := 家族の「対なる幻想」≡共同体の「共同幻想」な社会

祭儀行為 : 兄弟姉妹の「対なる幻想」→種族の「共同幻想」

対幻想論

農耕神話(e.g. 古事記) 対幻想→国生み

対幻想+時間観念⇒女性だけに所属する「時間」(妊娠・生育)

罪責論

『古事記』
姉妹と兄弟で共同幻想の天上と地上を分割支配∽大和朝廷勢力と農耕的社会

倫理の原形=共同幻想の軋み

スサノオ;(姉妹: 宗教権力 > 兄弟: 政治権力)という共同幻想のあつれき
ヤマトタケル;対幻想の問題(父子)⇒部族国家の共同幻想のあつれき

規範論

農耕段階への以降 : 前段階の共同幻想の「法」→掟・伝習・習俗・家内信仰

起源論

国家=村落共同体の幻想が血縁共同体から分離・独立

オホヤマモリとオホサザキの挿話
国を治めることと天皇の位を継承することが区別されている

『古事記』の神代編のパターン=プリミティブな国家の遺制
呪術宗教的な威力の継承;天皇制の本質を示唆

初期天皇群の名称(ヒコ/ミミ/タマ/ワケ)=邪馬台的な段階の国家群での大官の呼称

後記

わたしがえらんだ方法 典型的な資料をえらぶ→多角的に深くほりさげる

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