日本の非正規労働市場がわかる本。「日本型ワーキングプアの本質」の書評

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日本型ワーキングプアの本質――多様性を包み込み活かす社会へ

著者は労働経済学の専門家。「年越し派遣村」のインタビューから始まり、日本の非正規労働市場の説明・分析、韓国との比較、民間企業における非正規雇用事例紹介、提言を行っている。

第1章 「年越し派遣村から見えたもの」

ニュースの少ない年末に日比谷公園という目立つ場所で、労働相談と貧困相談を一ヶ所で処理したため、たらい回しもなく、適用基準が厳しい生活保護の支給までを実現できた経緯の説明。

第2章 プレカリアートの増大

日本より非正規労働が多い韓国のデータを豊富に示し比較している。

第3章 日本における主婦パートの誕生とその変遷

世帯主が非正規労働者の世帯が増えているにもかかわらず、依然としてパートを補助と前提した制度になっていることによるよる歪みの説明(103万円・139万円の壁)。

第4章 子供の貧困からみえてくるもの

日本の子供の貧困率は15%。社会や家族の変化に制度が適応していない課題について説明。
所得減少、晩婚化、非婚化による単身世帯の激増(30%超)と所得・貧困の関係について、OECD、国立社会保障・人口問題研究所、みずほ情報総研等のデータも交えて説明。

第5章 壁を壊せるか

正社員の非正社員の賃金・待遇格差を説明し、丸子警報器事件(訴訟)事例、パート法の改正、モロゾフにおける正社員化促進の取り組み事例などを紹介。

感想

日本だけでなく韓国・OECDとも比較しながら非正規労働の実態・制度について説明されている。韓国についてはとりわけ詳しい。
また最前線の実務にあたる方々との対談も豊富であり臨場感があってよい。

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