経済的視点から見た、鉄道業界の現状と課題とは?

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週刊東洋経済 2012年2/25号 [雑誌]

日本の強みは総合力!

◆新幹線をはじめとする海外輸出戦略の課題について。
・特許などの知財戦略が不十分
・国際規格作りは欧州が多数派。東アジアで連携し新規格で対抗を

◆優れた鉄道技術が随所に生かされている。
・銀座線の新車1000系/レトロ風の黄色い外装は、塗装ではなくラッピング
・無線式信号/普及すれば建設費が大幅に圧縮
・フリーゲージ/新幹線と在来線の直通が可能に。基本的な技術はほぼ確立
・レール/国内需要は頭打ち。海外でニーズが高い、重荷重レールが打開する
・SL/75年前の車両を復活させる技術が凄い。入手不可な部品はネジから手作り

鉄道の世界進出

◆新興国ではこれから鉄道建設ラッシュ。15兆円とも言われる市場を各国が争う。
・高速鉄道計画が進まない一方、地下鉄やLRTなど都市内鉄道は激増

◆中国が同国版の新幹線「CRH380A」の技術を、米国で特許申請。
・申請可能な部分だけを申請しているとの見方も

◆京阪電鉄がベトナムに進出。駅ビルや沿線開発も視野に入れる。
・首都ハノイでは20年までに5路線が新規開業
・日本国内の新線建設は飽和。計画・運営を含めたパッケージ輸出を目指す

新幹線とJRの未来

◆整備新幹線の着工が決まった。北海道新幹線新函館~札幌など3区間。
・試算では投資効果があるとされるが、並行在来線の赤字は増加

◆JR各社の経営戦略を見る。
・JR北海道/高速道路との競合が激しい。札幌一極集中への対応も
・JR東日本/ルミネ、エキュート、アトレが急成長。駅ビジネスに注力
・JR東海/リニア開業の課題は財務バランスとルート選定
・JR西日本/新駅を建設し、マンションなど沿線開発を狙う
・JR四国/高速道路との競合で疲弊。スーパー特急の導入を目指す
・JR九州/経営多角化の一環として農業に進出

在来線は生き残れるか?

◆鉄道を観光資源と捉えた、ローカル線の観光戦略が活発化。
・京阪電鉄「けいおん!」のラッピング電車やJR西日本「清盛マリンビュー号」など
・京都のトロッコ列車は成功例。沿線に紅葉と桜を植林し、観光地化
・観光列車は運賃だけでなく、席料やグッズ・地元土産販売で収益を得られる

◆被災路線の全路線復旧には5~10年。
・JR東日本の復旧は遅滞。黒字企業で補助が出ず、費用対効果で二の足

◆インフラとしてのローカル線の意義とは。
・秋田内陸縦貫鉄道では、利用者の地元高校生が鉄道に対し提言
・冨山市の成功で、新型交通LRTに注目が集まる

◆JRでは180路線中、黒字が28線。わずかな黒字路線で多くの赤字路線を補填する。
・主な路線の営業係数(=100円の収入を得るための支出額)は
 山手線/42.3円、東海道新幹線/72.0円など。赤字線区では大糸線/867.8円など

進化を続ける駅

◆安全対策としてホームドアが注目されている。
・課題はコスト。山手線では全29駅の設置費用だけで500億

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