悪いものだと考えられがちな詭弁についての解説本「論理病をなおす!」

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論理病をなおす!―処方箋としての詭弁 (ちくま新書)

詭弁を学ぶメリットは3つ
1つ目は、相手の用いた詭弁を自らの議論の武器にすることができる
2つ目は、詭弁を使うことのない人間になれる
3つ目は、人間がモノを考えるときの本質的な癖が見えてくる

詭弁に騙される人は単に馬鹿だから騙されるのではなく、人間の思考がそのようなものを受けれてしまう癖を持っているから
3セクション目からは詭弁の種類の説明

人間の性向

■「対立する2つの立場があるとき、人間は概してそのどちらかに味方してしまう」争っている2者があるとき、第3者として客観視することが困難な精神上の癖を持っている。そして、とにかく自分の側に加担しようとする。どちらが正しいのかは関係ない。自分が正しいことを証明するために、我々は議論する(by ウェルマン)

■「自分が正しいと思い込む」
人間の本性は下劣で、虚栄心を満足させるために、事実がどうであろうとどんな手を使っても議論に勝とうとする(by ショーペンハウアー)

■「自分の像を作る理由」
どうあがこうが死ぬのだが、「生殖」という手段で肉体的消滅を克服。心霊的生殖は教育や自分の像を立てることなどによって克服。これらによって、自分のことを知っている人が増え、それだけ自分の「生命」が長続きすることに

つまり、議論とは言葉で他人を支配し、自分の精神を伝播させようとすること。

曖昧さには罠がいっぱい:「多義あるいは曖昧の詭弁」

議論中に現れる言葉が複数の意味で使われたり、何を指しているのかはっきりしないまま用いられることにより、議論に不正を生じさせること

■不寛容の原理
相手の議論が複数の意味で理解されるとき、できるだけその議論が誤りとなるように、相手が不利になるように解釈すること
Ex) 足をくじいて歩けないと言っている人が緊急事態で無理をして歩いている。これを歩けるじゃないか!と指摘すること
■曖昧さの解消
議論の進行によって曖昧なものが段々とはっきりしていく。どんどん定義されていくのである。しかし、曖昧さを解消するために意味を限定し明確にするように見せて、実際は手持ちの材料を有力な根拠に仕立てているに過ぎない。つまり、曖昧さを取り除こうとすることで、新たな詭弁を発生させうる

弱い敵を創りだす

相手の主張をこちらが反応しやすいように(故意に)歪めて表現すること
その1つとして、相手の主張を単純化し、極論に変貌させることがある

■「相手の主張を拡張し、それを破綻に追い込むこと」が有効ならば、自分の主張はそれとは逆に「適用範囲をできるだけ狭く限定したほう安全」ということ
■即座に答えられない質問は回答を引き伸ばすことは、実のところ悪くはない

人に訴える議論

議論の妥当性ではなく、その人の人格、発言の動機、実際の行動や過去の発言との整合性を問題にすることで、その議論そのものを否定しようとすること

性急な一般化

一部の事例の性格を、全体の性格と決め付けること

感想

本書は、詭弁を勉強することで詭弁に欺かれなくなる一方、正しい理屈に欺かれてしまう、と締めくくられているが、これでは全く意味がない。正しい理屈を知った上で詭弁を理解するのが正しいのではないかと思った。

感想としては、100ページもあれば書けるものを引き伸ばした感があったかな。もしくは、自分が読み取れてないだけなのかも。あと、当たり前のことを文章化するのはいいんだけど、わざわざネーミングしなくてもいいかなと思いましたとさ。

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