書評とは何か? 日本の書評、海外の書評

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ニッポンの書評 (光文社新書)

書評とは

・組筋と引用だけで成立していて、自分の読解をまったく書かない原稿があったとしても、その内容と方法と文章が見事でありさえすれば立派な書評
・削りに削った末に残った粗筋と引用。それは立派な批評です。
・粗筋と引用の技にこそ書評家の力量は現れる。
・スモール・イズ・ビューティフル、というわけでは決してない
・短めの書評の問題点というか、懸念はもうひとつあります。それは取り上げる本が備えている情報量に、書評の字数が見合わないということ。
・800字でも過分というくらい内容薄っぺらな小説もあれば、かなりシャープに論を展開しても1000字を下回る分量ではとても魅力を伝えきれない内容の濃い小説もある。その差は厳然としてある。
・つまらない文章なんかに400字以上つきあう気はしないけど、面白ければ事情は変わる
・書評するのはその一冊でも、その他のたくさんの本を読み込んでないと、いい書評は書けない
・ツルハシの一撃が必要。立派な著作はツルハシで叩いてもこたえないし、下らない本には芯まで突き刺さる。前者の場合は出版人しか傷つかないし、後者の場合は読者のためになる。しかし、ツルハシの一撃となりうる書評は、読まなければ、精読しなければ、決して書けません。高いリテラシーと有名性を備えて初めて、ツルハシの一撃は成立するのです。どうしてもそれをしたい方は、まずプロの書評家になられてはいかがでしょう。
・安全地帯に身をおきながらでは批評の弾が飛び交う戦争に参加することはできない
・読む気にさせる魅力的なストーリーの要約は、書評の肝
・書評は作品という大八車を後ろから押してやる応援の機能を果たすべきものです。自分が心の底から素晴らしいと思った本を、簡にして要を得た紹介と面白い読解によって、その本の存在をいまだ知らない読者へ手渡すことに書評の意味と意義がある。
・「出版洪水」といった比喩がよく使われています。そうした時に、インフォメーション機関が必要になってくる。
・長さの問題で言うとね、800字なら800字そのままのサイズの内容しか書けないんじゃダメだと思うんですよ。その背後には、4000字を書けるほどの、その本や著者に関する知識なり、過去の作品への読書経験なりが必要。そうしたたくさんのバックボーンを削った先に800字がある。Amazon のカスタマーレビューや一般読者のブログ書評からはそれが見えてこないんですよね。やっぱり削ったものも見える人にはちゃんと見えるんですよ。書きたいことがたくさんあるのに、それらを泣く泣く切り捨てて書いた800字と、四苦八苦しながらようやっと埋めた800字とではまったくちがう。
・執筆に圧縮のプロセスが介在するかしないかのちがい
・他人の書評文を点検・批評しあう作業は大事
・書評欄をなくすってことは、自分たちの業界の首を絞めている

日本と海外の書評の違い

・日本の場合、雑誌にせよ新聞にせよ、書評の分量は800字から1200字のあいだが主流。海外の状況をかんがみるに圧倒的に少ない。むこうは書評欄全体が大きいため、長大な書評も識せられる。何頁にもわたる場合もあります。
・イギリスやアメリカだと、結構ネタバレをやる
・日本の書評って、かなり独自の進化を遂げている

アマゾンレビュー問題について

・ベストレビュアーは数多く書いているだけ
・Amazonのカスタマーレビューとかだと、まちがう行為じたいがネタになっている 。ベストセラー本をどれだけまちがえて紹介できるかを競うようなコミュニケーションの場になったり 。
・ステルスマーケティング(一般消費者を装った「サクラ」的な宣伝行為) などの草刈り場にもなっているので、真贋を見極める読者のリテラシーが求められている。

感想

書評について一冊書かれている本。痛烈に書いているが結構面白い。削る作業については納得。ダラダラ書くほうが簡単で、コンパクトにまとめるのって力がいる。いい本まとめると1万文字軽く超えるし。

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