メタボラの書評・感想

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メタボラ (文春文庫)

<僕>はジャングルのような鬱蒼とした森の中をひたすら駆け抜けている。なんだこれは。まるで他人の夢であるかのように現実感がない。とにかく、「ココニイテハイケナイ」という警句が頭の中で響く。逃げなくてはいけない。
しばらくして<僕>は気づいた。<僕>は一体誰だ?名前も何故逃げているのかも、それどころか過去の来歴すべてを思い出すことが出来ない。記憶喪失になってしまったのだ。
森から抜け出した<僕>は、偶然そこで人に出会う。伊良部昭光という男だった。<僕>は彼に事情を話す。記憶をなくしてしまったこと、どこかから逃げているということ、お金も何も一切ないということ。昭光は<僕>に「ギンジ」という名前を与え、水も飲ませてくれ、そしてしばらく一緒にいてくれることになった。ここは沖縄で、伊良部もどこか別の場所から逃げているということだった。
とりあえず当面なんとかなりそうではあるが、しかしこれからどうすればいいというのだ。とりあえずコンビニでバイトをしていた女性の部屋に泊めてもらうことになったが、いつまでもここにいられるわけがない。とにかく金がないし、記憶もない。記憶はともかくも、とにかく金をなんとかしなくてはいけない。
そこからギンジと昭光は長く険しい道筋を歩くことになる。ある時から離れ離れになった二人は、沖縄という特殊な世界の中で、必死に生き抜くことだけを考えて毎日を過ごしていくのだが…。

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